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【東京エンタメ堂書店】

あなたの知らない!?ガンダムの世界へ

 人気アニメ「機動戦士ガンダム」が七日でテレビ放送開始から四十周年を迎えます。モビルスーツと呼ばれる人型ロボットを操縦するSF物語は、これまで数多くの続編や外伝が作られていますが、時代が進むにつれ、アムロに子どもができたり、あの艦長の息子が主人公になったりと、意外な展開に−。今回は「あなたの知らないガンダムの世界」を小説で紹介します。(運動部長・谷野哲郎)

 1979年に放送が始まったガンダムは、主人公のアムロと宿敵シャアの対決がテーマでもありました。しかし、その後の彼らがどうなったのかを知っている人は少ないかもしれません。

◆アムロが結婚?

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 <1>『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』(角川スニーカー文庫、713円)は原作者・富野由悠季(よしゆき)氏による渾身(こんしん)の作。2人の最後の戦いを小説で描きます。

 地球連邦の勝利に終わった1年戦争から13年後、行方不明だったシャアはネオ・ジオンの総帥として、再び歴史の表舞台に出てきます。地球への隕石(いんせき)落としを画策するシャア。それを阻止しようと、アムロは新型「ν(ニュー)ガンダム」に搭乗するのです。

 88年には映画化もされましたが、決定的に違う箇所があります。小説ではアムロの恋人・ベルトーチカが妊娠。物語の終盤に向けて大きな影響を与えます。アムロにとって、シャアは敵だったのか、それとも友だったのか。ラストシーンは意外な形でした。

◆ブライトの息子

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 <2>富野由悠季著『機動戦士ガンダム 閃光(せんこう)のハサウェイ』(角川スニーカー文庫、全3巻・(上)は691円)は今、ファンの間で最も注目される作品です。これまでは「小説でしか読めないガンダム」として有名でしたが、今冬の映画化が発表されました。

 主人公の名はハサウェイ・ノア。ノアという名字に聞き覚えはありませんか? そう。あのブライト・ノア艦長の息子です。<1>のシャアの動乱後、青年に成長したハサウェイは連邦政府の堕落した実態に落胆し、「マフティー・ナビーユ・エリン」を名乗り、体制に反旗を翻します。

 Ξ(クスイー)ガンダムを操り、オーストラリアのアデレードで連邦軍ケネス大佐と戦うハサウェイ。鎮圧のため、戦艦で地球に降下する父…。衝撃の結末はご自身の目で確かめてください。

◆謎の「箱」

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 2000年代に入り、新たな動きを見せたのが、<3>『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』(角川コミックス・エース、全11巻・(1)巻は691円)。富野氏ではなく、『亡国のイージス』『終戦のローレライ』などで知られる人気作家の福井晴敏氏が執筆。世界観はそのままに、これまでとは違ったガンダムを創造しました。

 スペースコロニーで生活する男子高校生のバナージ・リンクスはある日、オードリーと名乗る少女と出会います。戦争を止めに来たと語る少女。バナージは彼女を助けようと行動を開始します。

 本作の特徴はズバリ「謎」です。窮地に陥ると勝手に変形して暴走するUCガンダム。オードリーの正体は? 開ければ連邦を転覆できるという「ラプラスの箱」とは? ミステリー要素の濃いガンダムは新鮮でした。昨秋公開の映画「機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)」は続編。もう少し、UCの世界が楽しめそうです。

 メカやアクション要素の強いロボットアニメを小説で描くのはなぜなのか。原作者の富野氏は「ベルトーチカ−」のあとがきで、映画製作の際に「アムロの結婚した姿は見たくない」と圧力がかかり、ストーリーを変えざるを得なかった裏話を載せ、本当はこちらを描きたかったと明かしています。商品としてのガンダムだけではないことを小説で訴えているのですね。

 29日からはNHK総合で若き日のシャアを描く「機動戦士ガンダム THE(ジ) ORIGIN(オリジン)」の放送が始まります。それにしても、子どものころに見たガンダムが大人になっても見られるとは思いもしませんでした。

 

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