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【東京エンタメ堂書店】

来月新連載!「月刊マンガホニャララ」 ブルボン小林さんに聞く

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 十七年にわたり、さまざまな媒体で漫画評を書き続けてきたコラムニストのブルボン小林さん。漫画と現実との間に意外な接点を見いだす独自の語り口で、漫画家や編集者からも熱い支持を受けてきた。五月から本紙で新連載「月刊マンガホニャララ」を始めるのを前に、漫画への思いを聞いた。 (谷岡聖史)

 「文春砲」とも呼ばれるスクープ記事が売りの「週刊文春」。知る人ぞ知る名物が、ブルボンさんの漫画評連載「マンガホニャララ」だった。昨年末まで十年半続き、書籍も三冊刊行された。

 その評が魅力的なのは「漫画と世相はどこかでつながっている」という姿勢で書かれているからだ。

 例えば、二〇一〇年の殺人事件。指名手配中の男が警察署に出頭した際、人気少女漫画を所持していたというニュースがあった。

 もちろん、その漫画には何の責任もない。「でも、何を読んで心にどう作用したのか、知りたいと思った」と、あえて事件に触れながら作品の美しさを連載で書いた。「こじつけでもいいから『そんな時、こんな漫画がある』というふうに現実と漫画を並べてみると、何かが見えてくる」

 現実の流行が、漫画家の生活を通じて作品内に入り込む場合もある。米映画「ターミネーター」の筋書きや人物造形が多くの漫画に影響を与えたのは、その一例だ。「漫画家は忙しいので、娯楽は映画やDVDを見ることぐらい。『まんが道』(藤子不二雄(A))の主人公もよく映画を見ていましたが、手塚治虫も藤子不二雄も、さまざまな映画を参照して作品を描きました」

 連載後半の約五年分を収めた最新刊『ザ・マンガホニャララ−』でも、天皇陛下の「お気持ち」表明、東京電力福島第一原発事故の収束作業などの出来事を糸口に、漫画を語っている。

 「今、漫画評を掲載する媒体が減っている」とブルボンさん。「紙媒体の部数が減る中、『シネマ』や『アート』のコーナーは残っても、なぜか『コミック』が減っている」

 その一方、「このマンガがすごい!」などの人気ランキングは盛況だ。だが「ある表現のシーンを温めるには、批評の言葉が欠かせない」と、自身も掲載誌の休刊などで複数の媒体を渡り歩きながら、漫画評を書き続けてきた。

 ちなみに、今回もタイトルに「マンガホニャララ」と付けるのは、その言葉がもはやブルボンさんの漫画評の「屋号」のようになっているからだ。文春の連載開始時、「編集者に『新刊紹介』ではなく『マンガホニャララ』みたいに何でもいいからタイトルを付けさせて、とメールしたら、『いいですね! マンガホニャララ』と返ってきまして…。まさに漫画みたいな経緯でしょ」と笑う。

 「『ホニャララ』という威張らない語感の通り、エッセーのようなくだけた文章なので、カジュアルに読んでほしいです」

編集者(右)を説得し、藤子不二雄がモデルの主人公2人(左)を映画に誘う手塚治虫(中)=藤子不二雄(A)『まんが道』(中公文庫)から

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 「月刊マンガホニャララ」は原則、毎月第三月曜掲載で初回は五月二十日の予定です。題字は「第二回ひらめき☆マンガ大賞」(ゲンロン主催)を受賞した漫画家の中山墾(こん)さんが手掛けます。

<ぶるぼん・こばやし> 1972年生まれ。「なるべく取材せず、洞察を頼りに」がモットーのコラムニスト。小学館漫画賞選考委員。最新刊は『ザ・マンガホニャララ 21世紀の漫画論』(クラーケン)。

 

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