東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 千葉 > 記事一覧 > 9月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【千葉】

「人生変えた」袖ケ浦市博物館に恩返しの企画展 少年時代アルビノに悩んだ石井さん

収集した観光地図などを紹介する石井更幸さん=袖ケ浦市郷土博物館で

写真

 袖ケ浦市の会社員石井更幸(のぶゆき)さん(45)の収集品を通じて、県内の観光と交通の歴史をひもとく企画展が市郷土博物館で開かれている。体の色素が十分に作れないアルビノの影響に悩んでいた少年時代に、世界観を変えてくれたという市郷土博物館に恩返しの気持ちを込めて計画。3年がかりで集めた貴重な品々を展示している。 (山口登史)

 石井さんはアルビノによる弱視で、小学校では学年が上がるにつれて黒板の文字が小さくなって読みにくくなった。「授業に付いていくのが難しくなるほどだった」と振り返る。

 そんな悩みを抱えていたころ、母と一緒に当時オープンしたばかりの市郷土博物館に訪れた。大画面で紹介される郷土の映像や、地元で出土した土器や、民芸品などの展示品を目にして「こんな世界があるんだ」と感動し、視野が広がったという。

 石井さんはその後も何度も通い、自宅近くで採取した土器のかけらを持ち込んでは、当時の学芸員で現在の館長、井口崇さんに鑑定してもらった。「とにかく夢中だった」と振り返る。

 石井さんは成人後、地元の化学工場に勤務する傍ら、アルビノを知ってもらおうと全国で講演活動をしてきたが、結婚して地元で過ごす時間が長くなると「人生を変えてくれた博物館に恩返しをしたい」という気持ちが芽生えてきた。県内では過去にあまり特集されていない企画展を調べて、県内の明治時代以降の観光や交通に関する資料の収集を思い立った。

 企画展では、石井さんが古書店を巡ったり、ネットオークションをチェックしたりして、三年がかりで集めた県内の鳥瞰(ちょうかん)図、旅行案内図、馬車の時刻表、駅弁の掛け紙など約五百二十点を展示。県内の観光名所や、交通網の変遷が見て取れる内容となっている。

 井口館長は「企画展の話を聞いた時は感動した。少年時代から変わらぬ行動力で頭が下がる」と感心。石井さんは「バーチャルではなく、本物の資料が持つ力を今の子どもたちにも知ってもらいたい」と来場を呼び掛けている。

 十月十四日まで。入場無料。問い合わせは、市郷土博物館=電0438(63)0811=へ。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報