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【千葉】

千葉市緑区の住宅密集地の消防出張所建設 計画地巡る議論大詰め

緑消防署あすみが丘出張所(仮称)の建設予定地。雑草の生えた空き地となっている=千葉市緑区あすみが丘で

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 二十七年前、千葉市が用地を取得した緑区あすみが丘の消防出張所の建設計画を巡り、地元住民と市側の議論が大詰めを迎えている。市は二〇二〇年度の開所を目指すが、建設予定地は住宅密集地にあり、建築基準法に基づく建築審査会の同意が必要で、十九日の次回会合で同意が出るかどうかに注目が集まる。 (黒籔香織)

 住宅が立ち並ぶあすみが丘八丁目。千葉市立大椎(おおじ)中学校から目と鼻の先に「緑消防署あすみが丘出張所(仮称)」の建設予定地(約千五百平方メートル)がある。鉄筋コンクリート二階建て、延べ床面積約七百三十五平方メートルの出張所の建設が計画されている。

 建設予定地は一帯を開発した東急不動産が消防出張所の用地として無償提供し、市が一九九一年に取得した。だが、バブル崩壊の影響などで市は財源を確保できず、更地のままとなってきた。

 建設に向けて動きだしたのは、地元住民側の要望がきっかけだった。周辺には緑消防署の二つの出張所があるが、JR外房線の土気駅南側には出張所がなかったためだ。

 地元の自治会などは二〇〇〇〜〇五年に計七回、市に出張所の建設を要望。一三年には地元の自治会連絡協議会長が、出張所の建設を求める約一万一千人分の署名を添えた請願を市議会に提出し、同年三月、市議会が全会一致で採択した。

 市は一五〜一七年度に予定地の地質調査や実施設計の費用計約二千五百万円を計上。建設に向けて動きだしたが、予定地での建設に反対する一部の住民が昨年十二月、予定地から約一キロ離れた市有地を代替地として示し、市に検討を求めた。今年五月の地元住民向け公聴会では、建設予定地の半径百メートル圏内の百七十六戸のうち約46%の八十一戸が建設反対を表明した。

 予定地近くに住む大橋輝男さん(71)は「出張所に面する道路は片側一車線で交通量が多く、事故が起きないか心配だ。緊急車両のサイレン音で寝不足にもなる」と訴える。大谷英右さん(76)は「事故が起きやすい場所で建ててしまったら終わりだ。孫や子どもたちに責任を感じる」と語る。

 市はこれまで住民説明会を四回、公聴会を一回開き、地元の住民に理解を求めてきた。代替地についても検討し、近隣出張所とのバランスなどから「現予定地が最適」と決めた。

 市議の一人は「消防出張所をつくってほしいと住民からの請願を受けて全会一致で採択した。いざ建つとなった段階で反対するのは、理解が得られないのでは」と指摘している。

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◆19日の建築審査会、焦点 計画地に同意なら着工へ

 緑消防署あすみが丘出張所(仮称)の建設予定地は、住宅が密集する第1種低層住居専用地域内にある。建築基準法は、同区域内で延べ床面積600平方メートルを超える公益上必要な建築物を整備する場合、事前に公聴会の開催と学識経験者らでつくる建築審査会の同意が必要と定める。あすみが丘出張所は延べ床面積が約735平方メートルで、建築審査会の審査対象となる。

 これに対し、一部住民が市に提案した代替地は第1種低層住居専用地域外にあり、建築審査会の同意は必要ない。

 同意を出すかどうかの結論は9月の建築審査会で示されるとみられていたが、一部の委員から「住民から不安の声が出ており、即決できない」との声が上がり、結論を保留した。

 市は10月19日の次回建築審査会で同意が出れば、昨年から始めた実施設計を完了し、2019年度着工を目指す。

 

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