東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 千葉 > 記事一覧 > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【千葉】

市原の土砂崩れ 道路開通は来年3月以降 県の監視・連携に課題

11月6日の土砂崩れ直後(県提供)=いずれも市原市大桶で

写真

11月7日の土砂撤去後、写真右側に再生土が山のように高く積み上げられている

写真

 市原市大桶の市道(通称・うぐいすライン)で十一月、再生土の造成地の斜面が崩れて通行止めになっている問題で、県は道路の開通が早くても来年三月以降になる見通しを示した。問題を巡っては県の監視体制や組織連携のあり方が問われる結果となった。(村上豊)

 森林課によると、造成工事(事業面積約十四ヘクタール)は太陽光発電施設の建設が目的で、アレス(東京都港区)が森林法に基づく林地開発の許可を二〇一六年十二月に得て開始。土砂の流出を防止する調整池の設置が条件だった。

 年一回と定めているパトロールを昨年六月に実施した際、調整池ができていなかったため事業者に口頭で指摘した。だが仮設調整池があったことから問題はないとみて、その後はパトロールをしなかった。

 一方で、埋め立ての中身を監視する廃棄物指導課は昨年六月の後、土砂崩れが発生するまでに計七回、再生土の中に有害物質が混じっていないかを調べるためにパトロール。現場の状況を把握していたが、両課間で情報の交換はしていなかった。

 森林課は、今年九月三十日の台風24号通過後に小規模な土砂崩れが起きた際、調整池が完成していないことを知った。工事の中止と流出防止用の柵の設置を指示したが、十一月六日に柵を越える土砂崩れが発生。幅六十メートルに渡って市道を覆った。積み上げられた土砂の高さは五十メートルほどあったという。

 調整池がないまま工事が続けられたことについて、同課の担当者は今月六日の記者会見で「大変重く受け止めている」と述べた。

 県は同日、再生土の埋め立て現場の緊急点検の結果を公表。対象六十二カ所のうち長南町、木更津市、市原市の計三カ所で崩落の危険が見つかり、盛り土が急勾配になっているなど基準違反が三十四カ所であった。

◆再生土規制条例、来年4月施行

 県は、建設汚泥などを中間処理した「再生土」による埋め立てを規制する条例を、来年四月に施行する。再生土は、増え続ける太陽光発電施設の造成などに活用されているが、造成地の崩落や、環境基準を超える有害物質の混入などの問題が出ている。だが条例では、事業者による「届け出」の義務付けにとどまり、規制の効果は未知数だ。

 条例では、五百平方メートル以上の再生土の埋め立てに対し、事業計画の届け出のほか、崩落防止や環境影響の基準を守るように義務付ける。違反すれば措置命令や立ち入り検査の対象となり、懲役や罰金などの罰則規定がある。

 再生土は、埋め立て事業者が有償で買い取るが、ストックされているので建設残土と比べて確保しやすい。広い平地面積が必要な太陽光発電施設の場合、調達しやすい再生土を使えば短期間で工事ができる。他方で有害物質が混じって異臭がするなどの問題が増えたため、県は二〇一六年九月に指導指針を作って取り締まりを強化していた。

 ただ条例は、計画書を出せば認められる届け出制にとどまり、埋め立てそのものの禁止や、審査してから造成を認める許可制ではない。県内では九月時点で六市三町(佐倉、旭、銚子、四街道、八街、印西、芝山、大多喜、鋸南)が禁止。七市二町(匝瑳、香取、成田、野田、大網白里、君津、木更津、酒々井、神崎)が許可制だ。

 近隣県では、茨城が禁止で埼玉は許可制。二〇二〇年の東京五輪・パラリンピックの開催に向けた建設工事で、多くの再生土が県外から運び込まれる可能性がある。千葉県内の自治体からは厳しい規制を求める声も上がっているが、県はリサイクルを促進する観点から、罰則付きの届け出制で実効性を確保するという。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報