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【千葉】

「成田」A滑走路の発着1時間延長 近接自治体「苦渋の判断」

成田空港A滑走路の運用時間延長の開始時期を確認した四者協議会=芝山町役場で

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 成田空港の運用時間が今年の冬ダイヤ(十月二十七日開始)から、A滑走路に限り、翌午前零時まで一時間延長されることが決まった。芝山町役場で四日、国土交通省と県、成田市など周辺九市町と成田国際空港会社(NAA)による四者協議会で実施時期について確認した。周辺自治体の一部で反対論が出ていたが、NAAなどから「環境対策や地域振興策に、よりいっそう協力する」との確約を得て、容認に転じた。 (小沢伸介)

 延長は一九七八年の開港以来初めて。A滑走路の運用時間延長は、昨年三月に合意した三本目の滑走路建設などを含む「さらなる機能強化策」に、二〇二〇年東京五輪・パラリンピックまでの実施が盛り込まれていたが、開始時期は未定だった。

 運用時間の延長と同時に、午後十時台の便数制限も撤廃され、午後十時以降の発着回数は現在の三倍に増える。さらに、航空機の発着間隔を短くする高速離脱誘導路の整備を進めており、全体として年間発着枠が四万回拡大される。

 「地元のご決断を大変ありがたく思う。国際空港間競争が厳しさを増す中、航空会社に使い勝手が良くなることをアピールしたい」。一刻も早い運用時間延長を訴えてきたNAAの夏目誠社長は、その最大の理由についてこう述べた。

 羽田空港でも年三・九万回の発着枠拡大が計画され、実現すればすべて国際線に充てられる方向だ。一〇年の再国際化やその後の増枠で顕在化した「成田離れ」が再び起きる可能性が高い。夜間の運用延長を、国際線と国内線ともに路線を大幅に増やしている格安航空会社(LCC)を中心に、さらなる路線誘致の切り札にしたい考えだ。

 一方、自治体側は「地域の将来は成田空港と共にある」との考え方で一致している。ただ、メリットとなる地域振興策の具体的な内容が示されないまま、デメリットとなる騒音負担が増えるため、A滑走路の南側に位置する山武市と横芝光町では実施時期を早める判断には慎重にならざるを得なかった。

 今回の確認に際し、NAA側に再検討を求めた昨年十二月と状況はほとんど変わっていない。九市町長でつくる成田空港圏自治体連絡協議会長の小泉一成・成田市長は「環境対策や地域振興策の推進に、いっそうの協力が確認された」と説明し、「多くの住民の理解が得られると受け止めている」と述べた。

 松下浩明・山武市長は「九市町の一員として空港とともに地域をしっかり支えていかなければならない。まさに苦渋の判断」と語り、横芝光町の担当者は欠席した佐藤晴彦町長のコメントとして「国、県、NAAが空港南部の地域振興を積極的に考えていることを感じた」と発言した。

 

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