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【千葉】

船橋・取掛西貝塚 暮らしやすさ1万年前から 出土品など紹介

取掛西貝塚から出土した貝塚の断面

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 発掘調査が進む船橋市の取掛(とりかけ)西貝塚(飯山満町、米ケ崎町)の出土品などを紹介する企画展が、同市海神の飛ノ台史跡公園博物館で開かれている。約一万年前の縄文時代早期前半としては関東地方で最大級の住居跡が見つかっており、市は市内で初の国史跡の指定を目指している。企画展では当時の人々が口にした貝類や動物、鳥類の骨といった「海と山の幸」が展示され、一帯は約一万年前から暮らしやすい場所だったことがうかがわれる。 (保母哲)

 取掛西貝塚からはイノシシとシカの頭部の骨などを並べ、狩猟採集生活でより多くの獲物を獲るよう祈ったとみられる国内最古の「動物儀礼跡」が出土。これまでに約一万年前の竪穴住居跡計四十二軒のほか、土器や石器、貝類で作られたアクセサリーなどが多数見つかっている。

 今回の企画展では、出土品約百六十点のほか、他の遺跡の土器など関連資料を含めた計約二百四十点が展示された。動物儀礼跡とともに出土し、「剥ぎ取り」と呼ばれる手法で貝塚の断面をそのまま保存した貝層(縦〇・七メートル、横約五メートル)も披露されている。

 この貝層内には魚の骨やシカの角も埋まっており、一帯からはキジやカモ、ハクチョウなどの骨も見つかった。こうした出土品から、当時の人たちが海や山から多様な食料を得ていたことが分かる。

 出土した約一万年前のヤマトシジミに直接触れることができるコーナーも設置。同博物館の畑山智史学芸員は「日本列島の中でも希少で価値ある遺跡だけに、何としても後世に伝えたい」と話している。

 市教育委員会の本格的な学術調査は二〇一七年度から三カ年計画で進められている。現在の計画では、発掘の成果を総括報告書にまとめ、二〇年十二月に国へ報告。翌二一年一月、国史跡を申請するという。

 企画展は三月三日まで、午前九時〜午後五時(入館は午後四時半まで)。原則月曜休館。入館料は一般百円、市外の小中高生は五十円・市内の中学生以下は無料。問い合わせは、飛ノ台史跡公園博物館=電047(495)1325=へ。

 三月十七日午後一時半からは、船橋市勤労市民センターで講演会「取掛西貝塚を考える」が開かれる。今回の学術調査について市教委埋蔵文化財調査事務所の職員が報告するとともに、明治大の阿部芳郎教授と黒耀石研究センターの能城修一客員教授が講演する。参加費無料、申し込み不要。こちらの問い合わせは、市教委文化課=電047(436)2898=へ。

さまざまな土器類も展示された=いずれも船橋市飛ノ台史跡公園博物館で

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