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【千葉】

<東日本大震災8年>東海第二、96万人避難に疑義 松戸で24日に学習会 

「水戸市と東葛6市の原発避難協定には具体性がない」と話す千葉西部ネットの吉野信次さん=松戸市で

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 茨城県東海村の日本原子力発電(原電)東海第二原発の再稼働に反対し、事故時の避難計画づくりに疑問を投げ掛ける学習会が二十四日午後一時、松戸市民会館で開かれる。主催の「東日本大震災被災者支援千葉西部ネット」(永田研二代表)メンバーで、元松戸市議の吉野信次さん(76)は、東京電力福島第一原発事故の際、放射性物質が飛散した影響で東葛地域ではホットスポットが生じたことから、「千葉は何もしなくていいのか」と訴える。 (林容史)

 千葉西部ネットは二〇一一年の福島第一原発事故直後、環太平洋連携協定(TPP)締結に反対する市民グループが急きょ、福島県の被災地支援のため松戸や柏、我孫子など十二市の市民団体に呼び掛けて発足させた。同年六月から、カンパやオークションなどで資金を集め、福島県南相馬市の学校給食センターに放射能検査済みの有機野菜を送ってきた。

 東葛地域に、原発から放出された放射性物質で汚染されたホットスポットが出現、自治体に対し放射線量の測定や野菜の放射能調査を要請した。また、昨年九月議会に合わせ、東海第二原発の運転延長を認めない請願の提出を全県に呼び掛けた。

 昨年十月、東海第二原発の過酷事故に備え、原発から三十キロ圏内の水戸市民約四万三千八百人を受け入れるため、松戸や柏など東葛六市との間で協定が結ばれた。千葉西部ネットは「協定に具体的な中身がない。原発を再稼働させるための無理な避難計画」と批判した。

 学習会は「福島を知ろう」と一六年から続けている福島講座の第六回。廃炉作業に従事した元原発作業員の講演会や現地の報告会などを開いてきた。今回、東海第二原発の運転差し止め訴訟の原告団共同代表の大石光伸さんが、再稼働の問題点や九十六万人を無事避難させる計画の無謀さについて話す。資料代三百円。

 東海第二原発は昨年九月、新しい規制基準への適合が認められ、十一月には二十年の延長運転も認められた。これを受け、原電の村松衛社長は今年二月、茨城県知事や東海村長らに再稼働の方針を伝えた。

 吉野さんは「東電本社前の抗議行動も参加者が減り、原発事故の風化を感じる。原発に依存したまま、ひとたび大地震が起これば首都圏は壊滅状態になる。関心が薄れている時が一番、危険」と主張する。

 問い合わせは千葉西部ネット=電047(360)6064=へ。

 <広域避難計画>原発の過酷事故に備え、国の防災基本計画に基づき、原発からおおむね30キロ圏の自治体に策定が義務付けられる。東海第二原発では立地する東海村と周辺13市町が対象だが、これまで策定できたのは3市にとどまる。茨城県の計画では30キロ圏で生活する96万人のうち40万人が県内の30市町村、9市町の56万人は千葉、福島、栃木、群馬、埼玉の5県に避難する予定。避難場所の選定をはじめ甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤の配布方法、スクリーニング(汚染検査)ポイント、地震や津波などの複合災害対策、バスなど移動手段の確保が策定のネックになっている。

 

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