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【千葉】

パン作り、自然の恵みに感謝 ドイツで修業・木更津の嶋野貴文さん

焼き上げたパンを取り出す嶋野貴文さん=いずれも木更津市で

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 木更津市新田1のドイツパン製造・販売業「ひととわ」。代表の嶋野貴文さん(30)は、本場ドイツで、開業に必要なマイスターの資格を取得し、故郷木更津から自然の恵みに感謝したパン作りを発信している。 (山田雄一郎)

 木更津駅西口から線路沿いに歩いて十分ほど。ひととわは、職住一体型のおしゃれな店構えが特徴だ。中に入ると、ガラス越しに大きなガス窯が見え、ここで焼き上がったパンが店頭に並ぶ。

 フランスパンに比べると、表面の硬さが特徴のドイツパンは、日本ではまだなじみが薄いが、確かな歯応えや淡い風味がファンをひきつけ、ひととわにも県内各地から買い物客が訪れるという。小麦の粒を粉にした全粒粉にこだわり、天然酵母を使用。粉や水、塩で生地をこね、パンを焼く。「自然のものを自然のまま。余計なことをせず、オーガニックなパン作りを心掛けています」と語る。

 生まれも育ちも木更津。パン作りを一生の仕事にしようと決めたのは、高校生の時。試しに作ったパンを同級生に振る舞ったところ「おいしい」と喜んでもらえたことがきっかけで、高校卒業後は大阪の専門学校でパン作りを学んだ。同校の知人を通じ、卒業後すぐドイツに渡り、同国中部ヘッセン州のフリートベルク市にあった職業訓練校でドイツパンの基礎を学び、農場にあるパン屋で研さんを積んだ。通算五年ほどの間にマイスターを取得し、「職業人として認められた。やりがいを感じましたね」と笑う。二〇一七年春、ひととわを創業した。

 ひととわの意味は「ドイツと日本」。ドイツの「独(ひと)」と日本の「和」を掛け合わせた。「人と人との輪がつながってほしい」と願いを込めた。

 木更津に帰ってきたのは、やはり地元だから。豊かな自然や東京湾アクアラインを使えば都内にも行ける立地条件を魅力に挙げる。開業資金などは、親類や知人が支援してくれた。

 店の切り盛りは、妻の真仁(まなみ)さん(27)と販売スタッフの三人という小所帯で、身の丈にあった経営を心掛けている。定休日を四月から週三日に増やして、空いた時間を生かし、近くの畑で大豆と小麦づくりに挑戦する。四月には第一子が誕生の予定だ。

 理想とするのは、ドイツ滞在時の風景だ。農場で作ったパンを家族や友人と味わう、共同体のような空間を木更津でもつくりたいと考える。それだけに自然や環境問題には強い関心を持つ。「資源の無駄遣いや環境破壊をなくすことが、これからの社会には必要。そういうことを考えて、パン作りをしています」と口調も熱を帯びる。

<ひととわ> 全粒パン、カンパーニュ(いずれも1個1000円、税込み)などを取りそろえる。営業時間は午前10時〜午後6時。定休日は水、木曜日で、4月から火曜日も休む。問い合わせは同店=電0438(55)6107=へ。

嶋野さんがドイツで取得した「マイスター」の証明書(左)

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