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【千葉】

<ひとキラリ>県都市協会が功労者表彰 飯田信義、長谷部年春さん

190基の切り絵行灯を手掛けた飯田信義さん(右)と長谷部年春さん=流山市で

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 流山市の旧中心市街地、流山本町で「切り絵行灯(あんどん)」を考案、製作している飯田信義さん(71)と長谷部年春さん(68)が、県都市協会(会長・金丸謙一館山市長)の2018年度まちづくり功労者表彰を受賞した。お互いの趣味が出合って完成させた作品が、かつて江戸川の水運とみりん醸造で栄えたまちを、今宵(こよい)もほんのり照らし出す。 (林容史)

 飯田さんと長谷部さんは共に地元で生まれ育った幼なじみ。かつて旧流山街道に商店が軒を連ね、にぎやかだったまちも、次々と店を畳み寂れてしまったという。

 流山本町活性化協議会長で、次の一手を探っていた飯田さんが、古い行灯に趣味で作った切り絵を張ってみたところ、思いのほか好評だった。飲んだ帰り道、長谷部さんに行灯作りを持ち掛けると、長谷部さんも二つ返事で了承した。

 飯田さんは二十五年ほど前、家族旅行で訪れた新潟県内のホテルで切り絵を見て、美しさに魅了された。参考文献を読みあさり、独学で切り絵を始め、ロシアやフランスなどの展覧会に出品するまでに腕を上げた。

 一方、長谷部さんはホームセンターをホームグラウンドにする日曜大工の達人。店内のどこに、どんな資材があるのか全て頭に入っている。

 長谷部さんが設計図を引き、角材とアクリル板で組み上げた本体に、飯田さんが作った切り絵を装着する。幅三十センチ、高さ一メートル。内部に仕込んだ蛍光管に灯を入れると、優雅な切り絵と文字が浮かび上がる。

 一二年、地元の浅間神社の夏祭りに合わせ、「遊び半分」で切り絵行灯六基を並べてみた。すると、町内の商店や個人から「うちにも作って」と頼まれ、むげにも断れず、デザインの希望を聞いて実費で製作を請け負い始めた。店構えや商売の様子、在りし日の風景、祭事など、まさにオンリーワンだ。

 二人で手掛けた切り絵行灯は百九十基、流山本町だけでも百基に上る。横町に並べた行灯に一斉に灯をともす「白みりんと切り絵行灯の夕べ」、ジャズとコラボした「切り絵行灯と音楽の夕べ」などのイベントも開く。明治レトロな建築物としゃれたギャラリーやカフェなどが混在する街並みに切り絵行灯がたたずむ。

 飯田さんは「作品を納める時、自分の絵柄をとても喜んでもらえる。流山本町界隈(かいわい)が行灯の回廊になれば」、長谷部さんは「生まれ育ったこの街並みを残したい。そこに行灯をセットで残せれば」と話している。

 県都市協会は県内の市町村が一九六二年に設立した任意団体。二〇一〇年度から、魅力あるまちづくりに貢献した各地の団体・個人を表彰している。

 

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