東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 千葉 > 記事一覧 > 6月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【千葉】

芥川賞 太宰治が記した苦悩 師事した佐藤春夫への書簡 ゆかりの船橋で展示

著書「晩年」に収められた、船橋時代の太宰治

写真

 「人間失格」「走れメロス」などで知られる小説家太宰治(一九〇九〜四八年)と、一年三カ月を過ごした船橋市との関わりなどを紹介する展示会が、同市西図書館で開かれている。実践女子大文芸資料研究所が所蔵し、太宰が師事した小説家佐藤春夫宛ての書簡も公開され、芥川賞を巡って苦悩する様子などがつづられている。

 太宰は一九三五(昭和十)年七月から翌年十一月まで船橋市宮本、船橋大神宮近くの借家で暮らした。当時の思い出を、著書「十五年間」に、「千葉船橋町の家が最も愛着が深かった」と記している。今回の展示会は、生誕百十年を記念して「太宰治と船橋」をテーマに開催された。

 船橋に引っ越した後、著書「逆行」が第一回芥川賞の候補になったが、最終的には次席だった。この際の動揺ぶりを示す佐藤宛ての直筆書簡(長さ約四メートル)が展示され、「こんどの芥川賞も私まへを素通りするやうでございましたなら、私は再び五里霧中にさまよはなければなりません。私を助けて下さい」などと記されている。

 筆が進まなくなった際の書簡(長さ約一メートル)には、「物質の苦しみがかさなり かさなり 死ぬことばかりを考えて居ります」とあり、苦悩する太宰の様子がうかがわれる。

 会場には、太宰が過ごしたのとほぼ同じ時期の船橋の風景写真や、佐藤宛てに送ったはがき、市内に残る太宰ゆかりの場所を紹介する地図、関連書籍など計約三十点が飾られた。太宰ら文豪たちをキャラクターにした漫画「文豪ストレイドッグス」のコーナーも設けられた。

 展示会は七月十日までで、六月二十四日は休館。観覧時間は午前九時半〜午後八時(土日祝日は午後五時まで)で、無料。問い合わせは、西図書館=電047(431)4385=へ。 (保母哲)

第1回芥川賞を受賞できず、佐藤春夫宛てに送った長さ約4メートルの書簡などが展示された会場=船橋市西図書館で

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報