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【千葉】

<参院選 大人って…>(上)9条改憲 大学生も揺れる

 二十一日投開票の参院選は、十八歳選挙権が導入されて三回目の国政選挙。改憲勢力が国会発議に必要な三分の二以上の議席を維持すると改憲の流れが一気に加速する可能性がある。県内にゆかりのある大学生四人と、憲法九条の意義や、自衛隊の存在を明記し「九条の二」を新設する自民党改憲条文案について議論をし、考えを深めた。若者の思いを、二回に分けて紹介する。 (黒籔香織)

 座談会には、法政大一年、石橋尚都さん(20)=成田市出身=と、日大三年、内平遥さん(20)=船橋市、同木村寿々香さん(21)=松戸市、千葉大四年、岡崎優貴也さん(21)が参加。弁護士の藤岡拓郎さん(41)を進行役に、自民党憲法改正推進本部が昨年にまとめた改憲条文案の資料を読みながら議論を進めた。

 石橋さんは「自衛隊の肩身の狭さはかわいそう。明記は重要」と自民党案に賛成の立場。現行の九条の「陸海空軍その他の戦力は保持しない」との条文に疑問を抱く。「『いや、持っているよな』と思う」

 岡崎さんも「一般人にはわからない海外の情勢や要請から(改憲案を)出しているんじゃないか」と推測し、自民党案に肯定的だ。

 一方、木村さんは「戦争を経験していないわれわれが簡単に変えていいのかな」と疑問を投げる。長崎県出身の内平さんは被爆者や戦争経験者から話を聞く平和学習を受けて育った。「七十年間守り続けてきたところに憲法の価値がある。一度変えると価値が崩れそうで反対」と話した。

 司会の藤岡さんは、安倍政権が憲法解釈を変えて集団的自衛権の行使容認や、他国軍への後方支援拡大を盛り込んだ二〇一五年九月の安全保障関連法成立について説明。自民党案が明記する「自衛隊」の活動範囲が専守防衛のみか、集団的自衛権も認めるか問い掛けた。

 木村さんは「専守防衛なら書き込まれて問題ない」と話す。

 石橋さんは「世界でやらないといけない役割もできるんじゃないかなと思いながら、戦争はしたくないから複雑」と悩む。岡崎さんも「『おまえ戦争行けんのかよ』と言われたら抵抗はある」と語る。

 藤岡さんは憲法に国家権力を縛る立憲主義の役割があると解説した上で、「九条の二」が歯止めの機能を果たすか尋ねた。

 内平さんは「歯止めが利かなくなる」と話す。木村さんも同調し「『自衛の措置』がどこまでなのか政治家に説明してもらいたい」と訴える。

 議論を踏まえ、再度自民党案への賛否を聞いたところ、反対意見の木村さんと内平さんは変わらなかったが、石橋さんと岡崎さんは条件付きの賛成となった。

 石橋さんは「自衛隊に入った先輩が身近にいて、その人が戦場に行ったらと思うと留保が付く」と語る。岡崎さんも集団的自衛権に懸念を示し「全面的に賛成にはならない」と話す。

 木村さんは「どこまで武力行使が許されるのか、条文では分からないのが不安」と反対の思いを深めた。

<司会> 藤岡拓郎(ふじおか・たくろう)さん 41歳。県弁護士会所属の弁護士。「憲法を考える千葉県若手弁護士の会」共同代表。

◆自民党改憲条文案(同党憲法改正推進本部資料から)

 九条の二

 (1)前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する。

 (2)自衛隊の行動は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。 (※九条全体を維持した上で、その次に追加)

 石橋尚都(いしばし・なおと)さん 20歳。法政大社会学部1年。成田市出身。

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 内平遥(うちひら・はるか)さん 20歳。日大法学部3年。長崎県雲仙市出身。船橋市。

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 木村寿々香(きむら・すずか)さん 21歳。日大法学部3年。松戸市。

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 岡崎優貴也(おかざき・ゆきや)さん 21歳。千葉大法政経学部4年。埼玉県新座市。

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