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【千葉】

上湯江遺跡「水滴」か 君津で初出土 識字層の存在裏付け

君津市で初めて出土した水滴とみられる小型平瓶

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 君津市上湯江の上湯江遺跡発掘調査で、硯(すずり)に水を注ぐ水滴とみられる小型平瓶(ひらべ)(最大径九・四センチ、高さ五センチ)が、市内で初めて出土したことが分かった。市教育委員会によると、八世紀(奈良後期〜平安初期)のものとされる。近くでは、文字のようなものが描かれた食器の一種、高台付坏(こうだいつきつき)(最大径二十センチ、高さ六・一センチ)も見つかっており、市教委は「文字を書ける識字層がいたのは確か。周辺に官衙(かんが)(官庁)や寺院が存在した可能性もある」としている。(山田雄一郎)

 今回の発掘調査は、トマト栽培施設建設に伴い、二〇一六年十一月〜一七年十二月の間、市教委が実施。市立貞元小学校の南側にある約八千九百八十平方メートルを調査した。

 出土したのは、奈良・平安時代の遺構・遺物が中心で、竪穴住居跡が数件あった。物を貯蔵・運搬する甕(かめ)や穀物を蒸す甑(こしき)などの生活用品も見つかっていることから、周辺に集落が広がっていることが確認された。

 小型平瓶は高温で焼かれた須恵器で、掘立柱建物跡そばで見つかった。全体の三分の二は欠落しているが、水滴とみられる注ぎ口と取っ手のような部分が確認できる。約十メートル西側で発掘された高台付坏には「井」のような文字が刻まれていた。

 市教委によると、水滴の可能性がある遺物は袖ケ浦市の永吉台遺跡など県内でも、いくつか出土例がある。関西で数多く見つかっていることから、文化的影響の有無も注目される。

 市教委は、一連の発掘調査で見つかった遺物を広く知ってもらおうと、七〜二十五日にアピタ君津店(同市久保)などで、出土遺物公開展「名もなきムラの物語〜遺跡からみる君津のくらし〜」を開く。二十四日には近くの市立中央図書館で、市教委の担当者らが発掘調査報告会を開く。公開展と報告会は、いずれも入場無料。

 問い合わせは、市教委生涯学習文化課=電0439(56)1422=へ。

小型平瓶が出土した上湯江遺跡の発掘現場=君津市上湯江で(いずれも市教育委員会提供)

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