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【千葉】

<夏の甲子園>粘りの習志野 本領 「美爆音」も打線後押し

校歌を歌い終えて駆けだす習志野ナイン=いずれも甲子園球場で

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◇全国高校野球選手権<第4日> 習志野5−4沖縄尚学

 甲子園球場で開かれている第101回全国高校野球選手権大会4日目の九日、習志野は1回戦で、沖縄尚学(沖縄)を5−4で破り、2回戦進出を決めた。終盤までもつれた試合は、えんじ色の応援団の大声援の中、“逆転の習志野”が延長十回、劇的な勝利を引き寄せた。2回戦は十四日第2試合で、鶴岡東(山形)と対戦する。

 一塁側アルプススタンドはえんじ色のメガホンを掲げた応援団員らであふれた。「美爆音」で知られる吹奏楽部の演奏は回を終えるごとに一体感を増し、勝利を呼び寄せた。

 習志野は二回表、四球で出塁した高橋雅也選手(2年)が山内翔太選手(同)の左翼適時打で生還。吹奏楽部員らはハイタッチをして先制点を喜んだ。

 山内選手の母・順子さん(47)は「選抜大会では悔しい思いをした。本人はなにをやるべきかわかっていたので、黙って温かく見守っていました」とこの三カ月を振り返る。

 しかし、相手打線が四回裏で勢いづき、連続3安打を浴びて3失点。五回、六回は互いに1点ずつ奪い合う展開に。青と黄色のぽんぽんを両手に声援を送るバトン部部長の長谷川歩沙さん(3年)は「『次こそ点を入れて』という気持ちで応援しています」と笑顔でエールを送った。

 一点をリードされて迎えた九回表、「あげてけー」と声をからして発破をかける吹奏楽部の副指揮に合わせ、「美爆音」はさく裂した。背中を押されたのか、打線はつながり、1死一、三塁から、角田勇斗選手(2年)の適時打で同点に追い付いた。応援に応えた角田選手に、母・みゆきさん(45)は「打ってほしいところで打ってくれた。最高の親孝行です」と息子の雄姿をみつめた。

 延長十回。スタンドの盛り上がりは最高潮。最後は和田泰征選手(同)が勝ち越の二塁打を放った。六回の途中から登板した飯塚脩人投手(3年)、八回から十回までをぴしゃりと抑えた。

 校歌が球場に流れると、えんじ色のタオルを横に広げた応援団は体を大きく揺らし、初勝利の余韻に浸った。アルプススタンドの上には小さな虹が出ていた。

◆悔しさ晴らす意地の決勝打 習志野2年・和田泰征選手

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 スタメン落ちの悔しさを知る背番号5の2年生が意地の一打で勝負を決めた。延長十回表1死二塁。直前のグラウンド整備中に「おまえが決めてみろ」と小林徹監督に指示を受けた。その言葉を胸に、バットを振り抜くと、打球は右中間を破る適時二塁打となり、劇的な勝利を導いた。「成果が出せて、うれしかった」

 13打数1安打とふるわなかった春の甲子園の悔しさを糧に臨んだ夏の千葉大会だった。だが初戦はスタメンに選ばれず代打での出場。結果は中飛に終わった。

 小林監督から「何であれが(中堅手を)越えないんだ」と叱咤(しった)された。

 お前の力でなぜ、という意味だったのか。

 「悔しさもあったが、心のもやもやが取れた」

 肩の力が抜けたのか、持ち前の力強い打撃が戻った。千葉大会は6試合に出場し、打率4割と活躍。正三塁手の座を勝ち取り、甲子園に乗り込んだ。

 春に続く大舞台の初戦は序盤から目まぐるしく流れが移り変わる展開。「つなぐことを意識した」という四回表1死三塁の場面では、三塁手の手前に絶妙なスクイズを決め、流れを引き寄せる活躍も見せた。

 入院中の祖母から「びびってないで、思い切りやんなさい」と激励の言葉をもらった。遠く離れた甲子園から元気を届けるためにも「泥くさく準備を重ねていきたい」と気を引き締めた。 (山口登史)

◆監督・主将談話

<習志野・小林徹監督> 紙一重のゲームをよくものにした。これまでの接戦の経験が生きた。

<同・竹縄俊希主将> 自分たちの一番の持ち味の粘り強さを発揮できた。最後まで諦めないベンチの明るさがあった。

<沖縄尚学・比嘉公也監督> 九回に決められた盗塁で流れが変わってしまった。

<同・水谷留佳主将> 勝ちゲームを落としてしまい悔しい。自分たちの甘さが最後に出てしまった。

 

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