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【千葉】

出版不況の荒波「力及ばず」 千葉の中島書店が88年歴史に幕

「長い間、本当にありがとうございました」と感謝する中島社長=いずれも千葉市中央区で

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 千葉市中央区の千葉銀座商店街にある中島書店が今月三十一日に閉店し、八十八年の歴史に幕を閉じる。同店三代目社長の中島浩さん(57)は「出版不況の荒波を越えることができなかった」と肩を落とした。 (丸山将吾)

 同店は一九三一(昭和六)年に中島さんの祖母が開業。五一年に現在の位置に移転し、地域の書店として親しまれてきた。だが、近年は客数が減り、売り上げはピークの八九年ごろの五分の一にまで落ち込んでいた。

 中島さんは閉店の理由を「活字文化の廃れと、電子媒体やインターネット書店の存在が大きかった」と語る。ネット書店について「本が流通しやすくなるのはいいこと」としつつ、「書店に出向いて本を手に取り、自分の目で選ぶという経験は大切」と訴える。

 近くの千葉パルコ閉店の影響も強く受けたという。買い物帰りの客がごっそり消え、売り上げ減に直結した。店内のレイアウトを変えたほか、今年五月から営業時間を一時間短縮するなど工夫したが、状況は改善しなかった。

 中島書店は今後、教科書販売などの外商だけを継続し、今の店舗スペースには物販会社が入る。「地域を大切にしたいと言ってくれる会社が、名乗りをあげてくれた」という。

 閉店に伴い、店はスポンジや雑誌の付録のバッグなどを、書籍の購入者にプレゼントしている。買い物に来た同市中央区の主婦及川佳子さん(79)は「街の本屋さんがどんどん減って、どこで本を買えばいいのか」と残念がる。

 中島さんは「この店をやっていなければ出会えなかった、たくさんの人がいる。やってきて本当によかった」と振り返り、「良くしていただいた方々のためにも何とか続けたかったが、力が及ばず申し訳ない」と話した。

今月末に88年の歴史に幕を閉じる中島書店

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