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【千葉】

台風15号 長引く断水、県民生活に影 県、自衛隊に災害派遣要請

住民の持ち寄った容器に給水車から水を注ぐ陸上自衛隊の隊員=市原市万田野で

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 台風15号が県を直撃して一夜明けた十日、停電による断水の長期化が市民生活に影を落としている。森田健作知事は同日、自衛隊に給水支援活動などを求める災害派遣を要請した。 (中谷秀樹、太田理英子)

 自衛隊は給水用のトレーラーなど五十五台を投入し、断水が解消されない富里、東金、佐倉、市原の各市と横芝光、長南両町の六市町に派遣した。

 県が十日午前に発表した段階で断水世帯は八万九千世帯で、順次復旧しているが、水不足に苦しむ人は給水支援が始まった地域以外にもいる。千葉市若葉区の前川敏夫さん(73)も、九日から水道が使えなくなり、一階にある共用の水道から水を調達する。「水洗トイレを使うにも一度ずつ水を注入しないといけないし、冷蔵庫も使えない。電気がないと何もできない」と訴える。

 君津市内の民間病院は停電で入院患者を預かることが困難だとして、患者九十九人を県内外に転院させた。このうち、症状が比較的重い八人は自衛隊によるヘリ輸送を使った。県所管の特別養護老人ホーム(特養)など社会福祉施設七百九カ所のうち、十日午後二時現在で百九カ所が停電、九十九カ所で断水が続く。この日も休校した公立学校は四百七十一校に上った。

 被害の実態も明らかになりつつあり、県農林水産政策課は、県内の農林水産業の被害総額が百二十六億円を超えると発表した。

 県警によると、県内では停電の影響で、十日午後五時現在、木更津市や富津市など県南部を中心に、少なくとも三百四十基の信号機が消えている。各署で発電機を使うなどしているが、対応は追いついていないという。

強風にあおられて倒れたとみられる電柱の数々=木更津市で

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◆「やっと飲める」 市原、給水車に笑顔

 停電の影響で断水が続く市原市万田野地区には陸上自衛隊下志津駐屯地(千葉市若葉区)から、給水車二台が派遣され、計二トンの水を周辺住民らに配ると、住民たちはほっとした表情を見せた。

 市原市によると、万田野地区では、水道水につかっている地下水をくみ上げるポンプが停電の影響で機能しなくなった。九日は市の給水車二台で対応したが、被害が市内全域に及び、手が回らなくなっていた。

 給水活動は万田野地区のガソリンスタンド「杉田建材」で正午すぎごろから開始。市職員が周辺住民に通知すると、一人、また一人と集まった住民らは、ペットボトルやポリタンクなどを手に「やっと水が飲める」など満足そうな表情を見せていた。

 このガソリンスタンド従業員で近くに住む佐久間要子さん(61)は「こんなに長い断水は初めて。料理、洗濯、風呂と普段の生活にどれほど多くの水を使っていたのか。電気と水の大切さを実感した。一日も早く復旧してほしい」と話した。

 市原市によると、陸自は十一日も万田野地区で給水を実施する方針。市は電力の復旧状況を見極めながら、給水車の派遣の延長を依頼する予定。 (山口登史)

◆市原で給油制限 GSに長蛇の列

 長引く停電の影響で一部のガソリンスタンドが給油制限を始めている。複数のスタンド関係者によると、停電の影響で給油機を動かせない店舗があり、営業している店舗に客が殺到。補給も間に合わない状況という。

 市原市の市原サービスエリアでは上下線ともレギュラーガソリンの場合、現金払いで二千円までと給油量を制限しているが、長蛇の列が延びている。従業員の一人は「こんなに忙しいのは初めて。早く復旧してほしい」と話していた。 (山口登史)

 

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