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【千葉】

<ひとキラリ>日本の文化と技術 凝縮 五輪・パラのメダルケースデザイン 八千代在住・吉田真也さん

デザインしたメダルケースを手する吉田真也さん=八千代市役所で

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 「日本の文化と技術を凝縮しました」。2020年東京五輪・パラリンピックで、金・銀・銅メダルを収納するメダルケース。そのデザインを担った八千代市のプロダクトデザイナー、吉田真也さん(35)は作品に込めた思いをこう語った。五輪でメダルケースはこれまで、ほとんど注目されてこなかったが、今回はその出来栄えから一躍話題を呼んでいる。「日本でしか作れない、精緻なケースになった」と吉田さんは笑顔を見せる。 (保母哲)

 吉田さんがデザインし、家具メーカー・山上木工(北海道津別町)が製造する入賞メダルケースは、直径十二センチ、厚さ六センチ。北海道産のタモ材を使い、重さは三百五十グラム強。木目が浮き出た深い藍色で、収納したメダルの下部に、首掛けリボンを収納できるくぼみを設けた。

 ケース本体とふたには、それぞれ磁石が四個ずつ埋め込んであり、磁力を利用してふたを閉じる仕組み。本体の底部をカットし、メダルを入れたまま、額のように立たせて飾ることができるのも特徴だ。

 吉田さんは父親の転勤で各地で暮らした後、小学三年以来、八千代在住。「幼いころから手を動かすことが好きだった」といい、高校卒業後、自動車整備士として地元の工場で働いた。車の部品の設計・デザインの面白さに魅了され、二十三歳のときに退職。専門学校でデザインを学び、一二年、自宅に個人事務所を開設した。

 仕事で技術力に定評のある山上木工と取引するようになり、同じ年齢の同社専務とも意気投合。五輪組織委員会が昨年秋に公募したメダルケースの製造委託契約に、ともに応募し、デザインや高度な加工技術が評価された。

 ケースは同社の職人がはけで手塗りした下地の上に、ウレタン塗装を施す。五輪とパラリンピック用に手作りするのは、計五百四十個。濃い藍色を選んだのは、「藍染めなど、藍色は古くから日本人になじみの深い色。深い色彩にしたのは、メダルを目立たせるため」と説明した。

 「多くの人との出会いが、このメダルケースに結び付いた。これからはデザインや物作りを通して、地域に貢献したい」と喜ぶ吉田さん。「入賞したアスリートが、このケースを帰国後に自国でPRしたり、会員制交流サイト(SNS)で発信してくれたら」と、五輪開幕を楽しみにしている。

 吉田さんは九月十八日に八千代市役所を訪れ、服部友則市長に自らがデザインしたメダルケースを披露。服部市長は「ケースに加え、市民がメダリストになれば、こんなうれしいことはない」と応じていた。

ケースに収納された東京五輪のメダル((C)Tokyo2020)

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