東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 千葉 > 記事一覧 > 10月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【千葉】

みんな外へ! 高齢者の足に 「グリーンスローモビリティ」 実証調査

地域住民らに見送られ出発する電動小型低速車両=松戸市で

写真

 乗り合いの電動小型低速車両で、高齢者が地域内を移動する「グリーンスローモビリティ」の実証調査が二十八日、松戸市河原塚で始まった。国土交通省の支援事業で、県内で対象地域に選定されたのは同市が初めて。観光や地域の活性化以外で高齢者の介護や認知症の予防、閉じこもり防止に主眼を置いて運行させるのは全国的にも珍しいという。 (林容史)

 国交省が二〇一八年度から実施している支援事業。一六年十一月に市と協定を締結し、都市型介護予防モデル「松戸プロジェクト」の共同研究を続けている千葉大学予防医学センター、地元の老人クラブと共に実施する。高齢者の社会参加や買い物難民対策も掲げる。

 使用する車両は全長約三・九メートル、幅約一・四メートルで七人乗り。最高速度は時速二十キロ未満。国から貸与された。

 地域の中心の自治会館を発着点に、ほぼ半径一キロ圏を巡回したり、行き来したりする。最寄りの新京成線八柱駅、スーパー、グラウンドゴルフ場などを経由する四つのルートを設け、原則として平日に四〜五便を運行させる。スーパーなどでは、買い物のために一時間停車して乗客を待つ。運転は老人クラブのメンバーや高齢者施設の関係者ら三十人がボランティアで担当。渋滞を引き起こさないよう、幹線道路はなるべく避けた。

 実証調査が始まった二十八日、地元住民や老人クラブのメンバーら約百二十人が出席して出発式が開かれた。本郷谷健次市長は「社会に出て行くためには足が一番、大切。モビリティが使えることが実証できれば市内、全国に広がっていく」と力を込めた。

 老人クラブ「河原塚南山ことぶき会」の堀田重信会長は「足が弱り、体力がなくなった高齢者がどうやったら外に出られるか。足を確保してみんなで集まって楽しい人生を送りたい」と訴えた。

 出席者が交代で試乗した後、第一便が出発した。

 試乗した内藤初子さん(82)は、普段は歩いて買い物に行くが、病院などへは知人や二人の娘に車で送迎してもらうという。「静かで快適。坂があるので、最近、あまり外出しなくなった夫と一緒に利用したい」と喜んでいた。

 千葉大の武藤剛特任助教=予防医学=は「マンネリ化させず、いかに事業を持続させるかが課題。住民が外出するようになったのか、事業の効果を検証したい」と話していた。

 来月二十三日まで実証調査を行い、市は利用状況や安全性などを検証後、本格導入について検討する。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報