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【千葉】

鴨川市、内浦湾海底 調査へ 「日蓮 生誕800年に向け」期待

来年1月、海底を調査することになった鴨川市の内浦湾=いずれも鴨川市で

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 鎌倉時代の仏僧日蓮(一二二二〜八二年)の生誕地を調べている鴨川市は来年一月、音波を使ったソナーで、海底調査に乗り出す方針を決めた。日蓮ゆかりの誕生寺(同市小湊)南に位置する蓮華ケ淵周辺を小型無人機「ドローン」で撮影するなどしたが、遺物の形跡が確認できなかったため、同寺西の内浦湾海底(水深約五〜六メートル)を探索することになった。 (山田雄一郎)

 日蓮は小湊「片海(かたうみ)」の漁村で漁師の子として生まれ、井戸の清水を産湯に使ったとされる。一二七六(建治二)年、直弟子が日蓮の生家跡に「初期誕生寺」を創建した。初期誕生寺は明応地震(一四九八年)、元禄地震(一七〇三年)といった二度の地震で損害を受け、現在の地に移転。生家跡周辺は海に沈んだままと伝えられる。

 今回調査に当たったのは、東京海洋大の岩淵聡文、近藤逸人の両教授と学生二人の計四人からなるチーム。五月十六日から二十日の五日間、事前調査と現地調査を行った。

蓮華ケ淵周辺を調べる東京海洋大の岩淵聡文教授(鴨川市提供)

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 事前調査では、地元ダイビングショップ、漁協、誕生寺の関係者に、日蓮伝承の聞き取りを行った。「海中に井戸がある」「海中から真水が出ている」「海中で真水を飲んだ」「蓮華ケ淵に仏像三体が打ち上がった」といった言い伝えを確認した。

 現地調査では、まず遊覧船から蓮華ケ淵の地勢を確認。陸側に下り立ち、上空からもドローンで井戸などがないか探したが、発見できなかった。半分ほど石や砂で埋まったくぼみがあったが、人工的なものではなく、岩の浸食でできたものと判断された。その他の遺物もなかった。

 調査チームと鴨川市は七月十八日、東京都内で今後のスケジュールを検討。ドローンの画像などから、蓮華ケ淵に特別な調査対象ははないと判断。過去に海士(あま)が潜らず、潜水調査もされていない「鴨川ホテル三日月」西側の内浦湾海底を、ソナーで広範囲に調べることに切り替えた。船に装着したソナーが扇状に音波を放ち、海底で反射した強度を色の濃淡で表し、遺物がないか確認する。

 謎の多い日蓮だが、生誕地が現在、地名として残っていない片海ということは、いくつかの文書で確認されている。片海がどこにあるか突き止めることが最も重要となる。

 市商工観光課は「ソナーの調査が終了したら、潜水調査も考えたい。日蓮の生誕八百年に向け、何かしら発見されれば、うれしい」と期待する。

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