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【千葉】

アートで故郷に恩返し 富津にカフェギャラリー

マスコットキャラクターのカワセミの看板が印象的な「翆の風」

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 過疎化が進む富津市で芸術文化に触れる機会を設けようと、カフェギャラリー「翆(みどり)の風」(同市小久保)が十月にオープンし、約二カ月がたった。管理者の平野昭一さん(70)は「心を落ち着けて鑑賞できる施設にしたい」と故郷への恩返しを口にする。 (山田雄一郎)

カフェギャラリー「翆の風」をオープンした平野昭一さん=いずれも富津市小久保で

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 翆の風は、約千五百平方メートルの敷地に立つ瓦屋根が印象的な平屋建て。柱に樹木のカリンを用いた二十畳の広間や、日本間、喫茶室、和室の四室からなる。こけら落としは十月四日の「全国絞り染・草木染全国交流作品展」で、一週間で延べ三百人が足を運んだ。

 現在は二十六日まで、富津美術会の初代会長を務めた梅田哲男さんの油彩画など五十点をそろえた企画展「梅田哲男癒しの世界」を開催中で、石仏や里山の風景が訪れた人たちの目を引いている。

 地元生まれの平野さんは、大学卒業後、全国信用金庫協会に就職。関連団体の役員を経て、六十四歳で一線を退いた。この間、四十年近く地元から東京まで通っていたという。地元の区長として活動し、地域の人たちの声に耳を傾けるうち、高齢化が進む地域のため、介護事業に乗り出そうと考え、昨年五月にスポーツ用品販売会社の経営者から物件を購入した。

 だが、介護施設として運営するには設備投資が想定外にかさむことを知り、方針転換。そんな時、表舞台から退くことになった梅田さんから「作品を預かってほしい」と頼まれた。

 「昭和、平成、令和を生き抜いた世代として、何か地元に証しを残したい」との思いが平野さんに募った。地元の人たちが気軽にお茶を飲める場をつくりたいとも考え、愛妻みどりさん(70)に感謝を込めて命名した翆の風を誕生させた。近くの小久保川に生息するカワセミがマスコットキャラクターだ。

 平野さんは「祭りばやしやお念仏など、富津には守っていきたい文化が、まだまだある。小久保川にカワセミが清楚(せいそ)に飛び続けられるよう見守ってほしい」と語りかける。

 翆の風では、室内のレンタルも有料で受け付けており、最も大きいカリンの間だと、半日で三千円となっている。入館無料。午前十〜午後五時。月火曜休館。問い合わせは、平野さん=電090(6504)6293=へ。

 

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