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【千葉】

車いすの新人 市議会へ 大網白里・林正清子(さきこ)さん

一般質問の内容をスタッフと話し合う林正清子さん(左)=大網白里市駒込で

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 十一月十日の大網白里市議選で初当選した林正清子(さきこ)さん(65)が、同市議会で初めての車いす利用者として議員活動を始めた。一部バリアフリー化された議場で十日、一般質問に臨む。林さんは「車いすは体の一部。障害のある人もない人も、当たり前に過ごせる社会をつくるきっかけにしたい」と話す。 (太田理英子)

 林さんは結婚後の二十四歳の時、関節リウマチを発症した。足首や膝の関節が動かなくなり、症状は徐々に悪化。二〇一六年からは一日中車いすで生活するようになった。

 自身の体が不自由になっていく中、知的障害がある次男の子育ても経験。福祉施設などに居場所が限られてしまう障害者が「その人らしく生きられるように」と、自ら福祉団体を立ち上げ、障害者と地域をつなぐ活動に取り組んできた。

 一七年、障害者の子どもがいる活動メンバーを病気で亡くした。志半ばだった仲間を思い、新たな決意を固めた。「福祉をより良くするには、政治で率先して変えていくしかない」

 家族や仲間に支えられながら、初めて選挙に挑戦。車いすに乗り、街頭で福祉政策の充実やまちおこしを訴え、最下位だが当選を果たした。

 ただ、議場を含む三階建て市庁舎は一九七二年の完成以来、バリアフリー化がされていない。車いす利用を想定していないため、通路は狭く、エレベーターもない。

 市は林さんの当選後、議場を一部改修し、議席や一般質問をする「発言席」周辺にスロープを設けるなどして段差を解消。発言席に固定されたいすは可動式にして、林さんが質問する際は車いすを止められるようにした。三階の議場までは、職員四人が車いすごと運ぶという。

 議会運営委員会でも、本会議での規則が一部見直され、林さんに限り、採決の際は起立する代わりに挙手を認めた。

 財源の問題で庁舎の大規模なバリアフリー化は難しく、もともと設置が検討されていたエレベーターの整備もまだ見通しは立っていない。手探りの状態が続くが、議会事務局の安川一省(かずみ)局長は「本人の意向を第一にし、不都合なことがあれば柔軟に対応していきたい」と話す。

 十日の一般質問で林さんは、障害者用の投票記載台の設置や、災害時の福祉避難所として特別支援学校の活用についてただす予定。「健常者から障害者になり、両方の視点があるのは私の強み。誰もが楽しく暮らせるまちづくりを目指す」と意気込む。

 

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