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【千葉】

VRで知る認知症の世界 流山北高生19人が体験

ゴーグルを着けてVRで認知症を体験する生徒たち=流山市で

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 VR(バーチャルリアリティー)を活用した認知症の体験会が八日、流山市の県立流山北高校(奥山祥明校長)で開かれた。医療や福祉の現場を志す三年生ら十九人が参加、ゴーグルの中で繰り広げられる認知症の世界に分け入り、驚きながらも理解を深めた。 (林容史)

 高齢者住宅・施設運営などを手掛け、二〇一七年から「VR認知症プロジェクト」を進めるシルバーウッド(浦安市、下河原忠道社長)の飛弾愛さんが講師を務めた。

 飛弾さんは、認知症について「脳の神経細胞の働きが悪くなり、日常生活に支障が出ること」と説明。五年後には六十五歳以上の五人に一人が認知症になるとみられているという。風邪などと違って、体験したことがないため「『共感のギャップ』がある」と指摘し、「少しでも認知症が体験できれば、新たな気づきが生まれる」と強調した。

 講義を受けた生徒たちは早速、ゴーグルを装着し、三つのストーリーを体験した。ビルの屋上に立っていると、周りから「大丈夫だから」「右足から」などと大声で急かされる。現実では車から降りる所だった。

 幻視を伴うレビー小体病では、人や犬がこつぜんと消えたり、携帯電話の充電コードが蛇に変わったり、目の前のケーキの上を虫がうごめいたりした。いずれも実際の体験に基づいて制作したという。

 ビデオで、三十代で若年性アルツハイマーと診断された男性が「周りの手を借りながら、新しく人生をつくっていける」、レビー小体病の女性は「異常視されなければ幻視とも付き合っていける」と、それぞれ前向きな考えを示した。

 生徒たちは「その人の目線に立つだけで認知症に対する見方が変わる」「症状が分かれば手助けできる」「認知症の人が『こんなふうに考えているんだ』と分かった。セミナーを受けただけとは違う」などと意見を述べ合っていた。

 市内の介護老人保健施設「ハートケア流山」で、来春から介護士として働く羽柴麗(うらら)さん(18)は「一人一人の認知症を知らなければ、相手も不安になる。『大丈夫ですか』と声を掛け、一緒に解決することが大切だと感じた」と話していた。

 同校では三年生の選択科目「インターンシップ保健実習」で毎週、高齢者施設に通い授業を行っている。授業の一環として希望者も募り、体験会を開いた。

 

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