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【千葉】

「チバニアン」国際学会で決定 チームリーダー茨城大教授・岡田さん「感無量」

記者の質問に答える茨城大の岡田誠教授=東京都立川市の国立極地研究所で

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 地球史を区分する「地質年代」のうち、約七十七万〜十二万年前を「チバニアン(千葉時代)」とすることが十七日、決まった。東京都内で会見した研究チームリーダーの茨城大理学部教授・岡田誠さん(54)は「感無量だ」と快挙を喜んだ。 (山口登史)

 三次審査通過後の昨年十二月、岡田さんは講演会で、言葉に力を込めた。「日本の地名を時代の名称で使えるのは、今回が最初で最後のチャンスなんです」。唯一の好機をつかむまでには多くの苦難があった。

 今回、地質年代の基準地となった市原市の「千葉セクション」と呼ばれる地層は、二十年以上前から別の研究者らが研究を進めていた。比較的新しい時代の地層は海の底である場合が多いという。昨年末に本紙の取材に応じた岡田さんは「地上で見ることができるのは世界中でも千葉やイタリアくらい」とこの地層の重要性を説いた。

 だが、当初は申請に向けた論文がほとんどなく、国際学会との意思疎通にも難航する状況で、登録を競うイタリアに大きく差をつけられていたという。

 二〇一二年、現在の研究チームメンバーで、国立極地研究所(極地研)准教授の菅沼悠介さんの論文を国際学会の関係者が目にした。約七十七万年前に地磁気が逆転したとする、これまでの研究内容がようやく世界に知られるようになった。翌年、菅沼さんとともに古地磁気学や古海洋学が専門の岡田さんが研究チームに参加。高齢の前任者からリーダーを引き継いだ。

 その後も論文で、良好な状態で保存されている千葉セクションの強みを訴え続けた結果、一七年ごろには「なんとか千葉が優位と判断されそうな状況までこぎ着けることができた」。

 一方で、予期せぬ障害も。研究チームの一員だった男性が「データが改ざんされている」などと訴えるようになった。男性が主張するたびに審査が中断され、反論や追加説明が必要となった。男性は、現場周辺の土地の賃借権を設定し、研究者の立ち入りを拒否する姿勢も。市原市が、昨年九月に研究目的の立ち入りを妨害してはならないとの条例を急きょ制定したことで三次審査を通過した。

 岡田さんは「この地層がこの時代を知る上で、世界で最も分かると証明された。世界に開かれた、地質学に触れられる場になれば」と話した。

 

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