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【千葉】

三番瀬で感じる地球の「呼吸」 船橋の画家ら、映像作品を撮影

夕暮れの三番瀬で行われた撮影。対岸は浦安市方面=いずれも船橋市で

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 船橋市沖に広がる三番瀬は、江戸時代から「豊饒(ほうじょう)の海」と言われてきた。多様な自然が残り、生き物がすむこの干潟を舞台に、「地球や人間の呼吸、リズムを伝える映像作品を作りたい」と、同市在住の画家と映像クリエーターの思いが一致。撮影が年明けの4日から5日に、ふなばし三番瀬海浜公園一帯で行われた。 (保母哲)

 「何かあると、この場所に来るんです」。船橋市在住の画家、荒井恵子さん(56)は東京湾の波や野鳥の群れ、対岸の風景、そして遠くに望む富士山などを挙げながら「この場所はいろんな意味で大切な場所、特別な場所」と話した。

自らの作品を飾り付ける荒井恵子さん

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 荒井さんは日本の伝統的な墨と越前和紙を使い、独自の抽象画を描いている。茶道が好きで「掛け軸を見ていたら、自分でも描きたくなって」と、以来二十八年。国内外で個展やグループ展を開いてきた。

 一年半ほど前、米国ロサンゼルスで作品展を開催する企画が持ち上がり、知り合ったのが、現地のギャラリー責任者だった荒木亮さん(32)。その荒木さんは昨年九月に帰国。現在はデザインや映像を手掛ける東京都内の会社でディレクターを務めている。

 二人は昨年秋、荒井さんの作品を三番瀬で撮影しようと計画。夕日から日没、月夜、夜明けへと移り変わる風景に、潮の満ち引きや野鳥などの生き物を交え、約三分の映像作品を初制作することにした。タイトルは「息遣(いきづかい)」。

 「毎日、墨をすっていて気付いたんです。自分の鼓動というか、リズムが。墨ずりって、人間の呼吸と同じだって」。そう話す荒井さんと荒木さんは「三番瀬とともに、地球などの『呼吸』や『鼓動』を伝えたい。三番瀬の中に(荒井さんの)作品が溶け込むようなインスタレーションを」と思いを語った。

 撮影は四日午後からスタート。荒木さんが勤めるグランパグラフィックス(東京都目黒区)の社長、藤沢浩士さん(31)がカメラを担当し、荒井さんの知人らがボランティアとして手伝った。

 干潟や海面の上に荒井さんの作品を並べ、その背景に移り変わる一帯の風景や波、砂浜、雲などを織り交ぜた。「三番瀬に囲まれた作品が、自然と対話できたような気がする」と荒井さん。作品は四月ごろに完成し、東京都港区のギャラリーで公開する予定という。

撮影する藤沢浩士さん(右)と荒木亮さん

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