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【千葉】

太陽と海の恵み 絶品!!三番瀬海苔 船橋沖でノリ漁の収穫最盛期

ノリを収穫するため、網を張った支柱柵の間を行き来する「摘採船」=いずれも船橋沖で

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 船橋市沖に広がる三番瀬で、ノリ漁の収穫が最盛期を迎えている。潮が満ちているとノリは海中で養分を取り込み、潮が引くと日光を浴びる−という伝統の「竹ひび式」漁法も活用。高級品の「船橋三番瀬海苔(のり)」として取引されている。しかし、半世紀前は約1000人いたという海苔漁師は現在、4軒の計7人のみ。漁師らは「深い味わいの三番瀬海苔を、ぜひ味わってほしい」と呼び掛けている。 (保母哲)

 養殖されているのは、船橋漁港から二〜三キロ沖合で、水深約三メートル。西に浦安、北に船橋と市川、東に千葉・幕張などのビル群を望むことができる。養殖場所では、網を支える棒状の支柱柵が何千本も海面に並んでいた。その支柱は以前、竹だったことなどから「竹ひび式」と呼ばれている。

ノリが付いた網を手入れなどする滝口光宏さん

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 その場所で、収穫用の摘採船(てきさいせん)を操っていたのが滝口光宏さん(50)。ノリが付いた網の下に、船を潜り込ませるようにして収穫することから、この船の別名は「潜水艦」。支柱の間を縫うように進む。船上に引き上げられたノリは、専用機械で網から刈り取られる。

 ノリの収穫作業は日の出とともに始まり、毎年十一月末から翌年四月初旬ごろまで続けられている。ところが、今シーズンは暖冬の影響などで、昨年十一、十二月はほとんど収穫できなかったという。

 収穫されたノリは、すぐさま漁港近くの加工場へ運ばれ、その日のうちに滝口さんの家族らによって製品化される。磯の香り漂うノリは機械で洗浄、細断などが繰り返され、乾燥させて一枚の製品(縦二十一センチ、横十九センチ)となる。船橋市漁協によると、二〇一八年度は約三百六万枚を出荷した。

 船橋市や市漁協によると、三番瀬では古くからノリが収穫されてきたが、養殖が始まったのは一九〇一年。昭和三十年代ごろにピークとなったが、海面の埋め立てによる転業や後継者難、加工機械の費用などがネックになり、ノリ漁師は減少を続けている。

 ノリ漁の活況を懐かしみながら、漁協の笛木隆専務理事は「三番瀬の恵みを受け、長い歴史を持つ船橋のノリ漁と製品の良さを、多くの人に知ってもらいたい」と話していた。

加工場で、乾燥機に入れられるノリ=船橋市で

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◆江戸初期には将軍家に献上 新たな特産にホンビノスガイ

 東京湾に面した船橋市は、古くから漁場に恵まれてきた。江戸時代初期には、徳川将軍家の「御菜浦(おさいのうら)」と呼ばれ、魚や貝を将軍家に献上。特に昭和30年代から40年代前半には漁獲量が多かったものの、その後、埋め立てや海水汚染もあって減少した。

 現在ではノリやアサリに代わって北米原産のホンビノスガイの漁獲量が増え、そのホンビノスガイは船橋の新たな特産として知られるようになった。このうちスズキ類とコノシロ・コハダは現在、国内一の漁獲高となっている。

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