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【千葉】

<新型コロナ>君津の「カラー」値崩れ 日本一生産量の花直撃 自粛ムードで注文減

各地の市場に出荷するため箱詰めされたカラー。新型コロナウイルスの影響で値崩れを起こしている=君津市糠田のJAきみつ小糸経済センターで

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 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、清楚(せいそ)な花として知られ、君津市が日本一の生産量を誇る「カラー」が値崩れを起こしている。世間の自粛ムードで注文が減ったためで、例年に比べ、単価は約三割下落。生産者は「いつになったら終息するのか。花に罪はないのに」と嘆く。 (山田雄一郎)

 十七日朝、同市糠田(ぬかた)のJAきみつ小糸経済センターに、生産者たちが、箱詰めしたカラーを軽トラックから次々に運び込んだ。箱の中には、花びらのような葉の中に、黄色い棒状の花をつけたカラーが束になって収められ、各地の市場へ出荷された。店頭では一本百円前後で販売される。

 東京から君津に移住し、カラー栽培を始めて五年になる奈良洋さん(52)は「秋の台風で成長が遅れ気味だったが、だいぶ戻った」と自信を示した。が、新型コロナの影響には「卒業式などイベントが中止なので、花(の需要)も動かない。家の中に飾って生活に潤いをもってもらえると、ありがたいのだが」と話す。

 カラーはサトイモ科の植物。君津市は豊富なわき水を利用した全国一の産地として知られ、市内全域で約六十戸の農家が栽培、年間約百八十万本を出荷している。白い花の合言葉は「乙女の清らかさ」で、近年はブライダルの贈り物として人気が出ている。

 昨年の台風や大雨で、君津市の生産者の多くはハウスが倒壊したり、水没する被害に遭い、九〜十月には出荷へ向けた作業ができない状況だった。生産者同士が倒壊したハウスを撤去するなど協力し、「日本一のカラーを全国に届ける」と頑張ってきただけに、新型コロナウイルスの感染拡大は想定外だった。

 JAきみつ小糸経済センター長代理の鈴木健一朗さん(42)は「二月になって花の単価が日に日に下がり、例年に比べ三割ほどまで下がった」と話す。

 農林水産省によると、各種イベントの中止で、全国の花の価格は一〜二割下落。特にガーベラやバラといった贈答向けの落ち込みが目立つという。こうした状況を打開しようと、同省は今月から「花いっぱいプロジェクト」を始め、家庭や会社、地方公共団体で花飾りや花を購入するよう促している。君津市も職員用として、地元の生産者から十五本入りのカラー五十五箱を購入した。

 鈴木さんは「これからお彼岸需要があり、少しずつ動きが良くなっているが、自粛がどこまで続くか、不安は尽きない」と楽観はしていない。

 

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