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【社説】

米朝会談1カ月 実務者の接触再開を

 対話を中断してはならない。物別れで終わった米朝首脳会談からほぼ一カ月。非核化の手法を巡る双方の立場の差は埋まっていないが、会談での論点を踏まえ、実務者の接触を早期に始めてほしい。

 いまだに明確になっていないのが、北朝鮮の対応だ。

 ハノイでの首脳会談の結果に不満なのだろう。北朝鮮の崔善姫(チェソンヒ)外務次官は十五日に平壌で開いた会見で、米国との非核化交渉の中断を検討していると明らかにした。

 北朝鮮・東倉里(トンチャンリ)のミサイル発射施設で復旧の動きも判明している。将来の爆破に備えて、あえて復旧させたとも指摘されているが、意図は不明だ。 

 一方で北朝鮮は、国連安全保障理事会からの制裁をかいくぐって、サイバー攻撃を活発化させ、仮想通貨を盗み取っていると指摘された。

 このような状況で、これまで自制していた核、ミサイル実験を再開すれば、国際社会から追加制裁が科されるのは間違いない。不用意な行動は控え、早急に対話の意思を表明すべきだ。

 一方の米国側は、対話継続の意向は表明しているものの、非核化の一括実現を求め、制裁も維持する姿勢だ。

 安易な妥協は禁物とはいえ、対決状況に戻ってはならない。ハードルを引き上げるだけではなく、柔軟な対応も必要ではないか。

 南北の和解を進め、米朝の関係改善をリードしてきた韓国の責任はいっそう重くなっている。

 北朝鮮は二十二日、昨年九月に開設された北朝鮮・開城(ケソン)にある南北共同連絡事務所から人員を撤収し、韓国側を困惑させている。

 国際社会からの制裁を理由に、南北間の経済協力事業を進めない韓国を揺さぶる狙いだろう。

 韓国は、成果を出そうと焦ってはならない。まずは北朝鮮に特使を派遣するなどして、非核化を粘り強く訴えてほしい。

 米朝首脳会談の再開が不透明になるなか、日本政府もようやく北朝鮮との交渉に動きだした。

 これまで国連人権理事会に提出してきた北朝鮮の人権侵害に関する非難決議案について、今年は提案国になるのを見送った。

 拉致問題解決への転機を生み出す狙いだというが、小手先の対応で、北朝鮮が対話に応じてくるとはとても思えない。

 拉致問題が解決された後、日本が北朝鮮の経済発展にどう寄与できるかといった、長期的なビジョンを示すべきだろう。

 

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