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【社説】

きょう党首討論 予算委の開催なぜ拒む

 党首討論がきょう一年ぶりに開かれる。安倍晋三首相が野党党首と一対一の論戦に臨む意義は認めつつも、議論が短時間でいつも消化不良気味だ。予算委員会を開くべきだが、与党はなぜ拒むのか。

 党首討論の開催は昨年六月以来一年ぶりで、今国会では初めて。

 その一方、野党側が集中審議の開催を求める予算委員会は衆参両院とも三月から開かれていない。「予算委員会は予算を審議する委員会だ」(森山裕自民党国対委員長)という理屈だ。

 自民党は、党首討論の開催で、党首同士の論戦の場を、形だけでもつくったつもりなのだろう。

 英国の議会制度を参考にした党首討論は小渕内閣当時の二〇〇〇年二月、正式に始まった。与野党の党首同士が向き合い、政策や理念をめぐり丁々発止の議論を展開する意義は理解しても、四十五分間という時間はあまりにも短い。

 今回は、四人が首相と討論するが、割当時間は最も長い枝野幸男立憲民主党代表でさえ二十分だ。

 昨年の党首討論では、森友・加計問題を追及された首相が、質問には正面から答えず、論点をすり替えたり、一方的に自説を述べる場面が目立った。これでは実のある議論などできまい。ましてや予算委の代わりにはならない。

 外交・内政を巡り、国会で議論すべき問題は山積している。

 トランプ米大統領が八月の決着に言及した日米貿易交渉や、首相が前提条件を付けずに首脳会談実現を目指すと述べた北朝鮮問題、さらに金融庁審議会の報告書に端を発した年金問題や、地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」を巡る問題などだ。

 野党側が短時間の党首討論ではなく、より長い時間を使って国政全般の質問ができる予算委の開催を求めるのは当然である。

 与党側はなぜ予算委開催に応じないのか。夏の参院選を前に野党側に長時間追及されれば、政権のイメージを悪化させかねないとの懸念があるのだろうが、正当な理由とは言い難い。衆参両院で開催に応じるべきだ。

 党首討論には「歴史的な役割は終わった」(枝野氏)との意見がある。衆院への小選挙区制導入に伴う二大政党制を想定した制度であり、野党が細分化した現状にはそぐわない制度なのかもしれない。

 とはいえ、回数を増やす、持ち時間を延ばす、譲り合うなど工夫の余地はある。せっかく導入した制度だ。予算委とは別に党首同士が議論する意義は変わらない。

 

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