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【社説】

GSOMIA 結束し失効回避目指せ

 日韓が軍事機密情報を共有する協定の失効期限が迫っている。不安定さを増す北東アジアにおいて協定は安保上の意義が大きく、韓国にとってもメリットが多い。日米は韓国の翻意に努力すべきだ。

 日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)について文在寅(ムンジェイン)大統領はエスパー米国防長官との会談で、「日本と軍事情報を共有するのは難しい」と、従来の立場を繰り返した。

 十七日の日韓防衛相会談でも、韓国側は日本側の譲歩を求め、平行線で終わった。このままでは二十三日に失効しそうだ。

 韓国政府がGSOMIAの延長を見送り、「破棄」を表明したのは、日本が行った韓国への輸出規制の強化に反発したためだ。

 元徴用工問題の解決を促す目的とはいえ、日本政府が経済を使ったのは適切ではなかった。

 しかし、韓国政府がGSOMIAの破棄という安全保障問題で対抗したのも、過剰反応だった。

 GSOMIAは、困難を乗り越えて二〇一六年にようやく締結された。それから破棄発表まで、北朝鮮の弾道ミサイル情報を中心に二十九件の秘密情報が共有されるなど、実績をあげていた。

 日本と韓国は、他の方法で十分情報共有できると主張しているが、見方が狭すぎるだろう。

 GSOMIAは、米国を挟み、日韓が協力体制を結んでいることを示す象徴的な存在だ。さらに歴史問題でギクシャクしやすい日韓関係の重しの一つでもあった。

 エスパー長官は、日韓の対立が続けば「北朝鮮と中国を利することになる」と警告を発している。米国の危機感は深い。

 韓国は現在、米国と在韓米軍の駐留経費を巡る交渉中だ。協定破棄は、米韓関係の悪化や在韓米軍の縮小にもつながりかねない。

 韓国内では破棄支持派が優勢だが、メンツにこだわらず延長を求める声にも耳を傾けるべきだ。

 一方日本政府は、GSOMIAとは次元の違う話だとして、輸出規制強化の撤回に応じていない。韓国側の対応は問題だが、日本政府が人ごとのように振る舞っているのは無責任ではないか。

 北朝鮮の非核化や日本人の拉致問題を進展させるには、韓国の協力が欠かせないはずだ。一度破棄されれば、再締結には、相当な時間と労力がかかるだろう。

 二十二日には名古屋で日韓外相が顔を合わせる。三カ国の結束を維持するため、日本は米国とともに積極的に対応すべきだ。

 

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