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【社説】

野党合流見送り 政権交代の気概あるか

 政権交代への気概が疑われる結末だ。立憲民主党と国民民主党の合流が当面、見送りとなった。政権批判の受け皿づくりに、今こそ非自民勢力が結集せねばならない。早急な仕切り直しを望みたい。

 両党の合流協議は、昨年十二月初旬に立民の枝野幸男代表が国民側に呼び掛けて以来、一カ月半にわたり続けられた。立民は通常国会前の結論を目指していたが、国民が決断に至らず、立民は事実上協議を打ち切った。

 国民側では、党勢低迷のままでは衆院選が戦えないと、衆院議員の多くが合流に積極的だった一方、昨夏の参院選で一部立民との競合を強いられた参院側が慎重論を唱えていた。国民が解党して立民に吸収される合流方式や立民の脱原発政策を巡っても参院を中心に不満が根強く、玉木雄一郎代表としてもまとめきれなかった。

 野党第一党が存続して拡大する方式は一九九八年、旧民主党に民政党、新党友愛などが合流して拡大民主党が誕生した際などにも採用されたが、今回は、両党の勢力に大差がない状況での吸収合併提案だった。国民側の不満は分からないわけではない。党名存続などにこだわりを通した枝野氏に見通しの甘さがあったのではないか。

 脱原発政策などは長期的視点に立てば、決して間違っているとは言えない。玉木氏にはもう一段の決断力がほしかった。両代表は、責任を深刻に受け止めるべきだ。

 立民、国民、社民各党などは昨秋の臨時国会に当たり、衆参両院で共同会派を結成。共産党とも連携して「桜を見る会」疑惑の追及などに一定の成果を上げてきた。IR事業に絡む汚職事件、国会での審議や議決を経ない自衛隊中東派遣なども加わり、安倍政権の運営はひどくなるばかりだ。

 野党には、国政の調査や行政監視機能の一層の発揮が求められる局面である。

 衆院議員の任期が二年を切り、次期衆院選の共闘も急務だ。両党は国会での共闘を通じて信頼関係を築くとともに政策協議と選挙協力を急ぎ、安倍政権に代わる選択肢を早急に示してほしい。

 枝野氏は二十二日の衆院本会議代表質問で、政権交代への意欲を強く訴えたが、足元の野党合流さえおぼつかないのであれば、国民の共感は得られないことをまず認識すべきだろう。決して、不協和音を引きずるようなことがあってはならない。互いの違いを言い募るよりも、違いを認め合う懐の深さを野党結集の鍵にすべきだ。

 

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