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【私説・論説室から】

「島国」に戻らないで

 米国生まれのエマニュエル・パストリッチさん(54)は、韓国在住十一年。大学で教える一方、「韓国人だけが知らない別の大韓民国」という分析本を出版し、韓国でベストセラーになったこともある。

 中国文学を学んだ後、東京大学で上田秋成をはじめとする江戸文学の研究に没頭した。「韓国語より日本語の方が、楽に読み書きできます」と話すほど日本語がうまい。

 久しぶりにソウルで会ったパストリッチさんは、今度は、日本についての本を書いていると明かした。「大きく変化している東アジア情勢の中で、日本はもっと果たすべき役割がある」という切実な思いからだ。

 例として挙げたのが「気候変動への対応」。日本はこの分野での技術力が高い。また「自然と共生する日本人の知恵を、アジアの国々に伝えることも大切」と強調した。

 最近の日韓摩擦には、心を痛めている。

 自国中心主義が目立つ米国は今後、東アジアでの存在感が薄れていくと、パストリッチさんは予測する。

 だからこそ、「共通点の多い日韓は協力すべきだ。韓国にも問題はあるが、日本の人たちはどんどん内向きになって、『島国』に戻ろうとしているような印象を受けます」。

 本は五月ごろ出版予定だという。二つの国をよく知るパストリッチさんの苦言に、耳を傾けたい。(五味洋治)

 

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