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【私説・論説室から】

ロシアが苦しむゴミ戦争

 ロシア・ウラル地方のカラチャイ湖には長い間、放射性廃棄物が大量に投棄されてきた。原爆開発で米国に追いつくため、一九四八年に旧ソ連が開設した核閉鎖都市チェリャビンスク65から出る廃棄物だった。湖畔に立てば瞬く間に年間被ばく許容量を超える放射線を浴び、「世界で最も危険な湖」とも呼ばれた。このため、現在は埋め立てられた。

 核のゴミばかりではない。ロシアでは都市ゴミの焼却や分別収集はほとんどなされない。年間七千万トン出る都市ゴミの大半が埋め立て処分にされる。日本の国土の約四十五倍もある広大な国である。かつては処分場にする土地には困らなかった。

 今や処分場の総面積は全土で四万とも五万平方キロともいわれる。九州に匹敵するかそれよりも広い規模だ。それでも処分場はどこも満杯。悪臭や水質汚染という深刻な環境問題を引き起こしている。市民の行政への風当たりは強い。

 プーチン大統領は二月の年次教書演説で「この百年、ゴミ問題に取り組んでこなかったのは紛れもない事実だ。文字通りゴミの山と化した処分場が住宅地に迫っている」と行政当局の尻をたたいた。

 プーチン氏の剛腕をもってしてもゴミ戦争に勝つのは容易ではない。だが、環境対策を得意とする日本企業には大きなビジネスチャンスになる。 (青木 睦)

 

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