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【私説・論説室から】

ロシア版産めよ増やせよ

 人口一億四千万余のロシアにとっても、人口減少は国の衰退につながる深刻な問題だ。政府は七人以上の子どもを持つ親に「親の栄光賞」を授与する制度を二〇〇八年に創設し、今年もプーチン大統領が八組の家族をクレムリンに招いて表彰した。

 プーチン氏は「国や社会、伝統的な宗教が共同で子どものいる家庭を支援していく」と子育てを全面支援する姿勢を示した。

 答礼に立ったドゥミトリエフさんは十一人の子の父親だ。「『どうやって暮らしているのか』とよく聞かれますが、苦労が若干多いくらいですよ。私の父は八人きょうだい、母方の祖母は七人きょうだい、曽祖母は十人いましたから」と事もなげに語った。

 政府は〇七年、二人以上の子を持つ親に助成金を出す「母親基金」を始めた。住宅取得や教育費、年金加算などの形で支給する総額は二十五万ルーブル(当時のレートで百二十万円相当)と、平均年収をはるかに上回った。その後も物価スライドで支給額は増えている。

 だが、ソ連崩壊後の混乱期に当たる一九九〇年代に生まれた人の層は薄く、その世代が子を産む年齢を迎えた。このため当面は出生数の増加は望めない。

 母親基金に加えて、幼・保育園は子どもに朝食から提供するほどサービスが手厚い。問題は、こうした充実した少子化対策の財源がいつまで持つかだ。 (青木 睦)

 

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