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【私説・論説室から】

韓国紙日本語版の功罪

 韓国大統領府のスポークスマンが十七日、異例の発言をした。韓国の有力紙がネット上で提供している日本語版の記事について、「本当に韓国国民の声を反映したものなのか、問いたい」と述べたのだ。

 メディアの報道内容に政府が不満を表明することが適切かどうかは別として、私も長いあいだ、似たような疑問を抱いていた。

 韓国紙の日本語版は二〇〇〇年代から本格化した。保守系紙を中心に毎日、大量の記事が更新される。日本の大手ポータルサイトにも転載され、多くのアクセスを集めている。

 日本に住む人たちは、かつては韓国の事情を日本の新聞やテレビなどを通じて知ったが、今は日本語版を通じて、情報をリアルタイムに入手できるようになっている。

 問題は、韓国の政治経済や北朝鮮などに偏っていることだ。さらに韓国語の記事の穏やかな内容の見出しを、「国民の反日感情に火を付ける韓国大統領府」などと、過激な日本語に置き換えていたケースもあったという。

 これらの記事が日本で引用され、韓国を批判する新たな記事になって拡大していく。日韓の摩擦の土壌にもなっているだろう。

 日本メディアにとっても、人ごとではない。現地ニュースの翻訳で終わらない、踏み込んだ内容が求められよう。そうでなければ現場感のある日本語版の記事に押され、存在感を失ってしまうだろう。   (五味洋治)

 

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