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【私説・論説室から】

税にタブーは許されず

 面白いので繰り返し鑑賞している北野武監督の映画「アウトレイジ」シリーズ(三部作)で、暴力団員が悪知恵を絞って非合法に金もうけをもくろむシーンが出てくる。こういう連中が金を稼ぐことを、「しのぎ、というのだ」と教えてくれたのは今から三十年前、警視庁捜査四課の捜査員だった。当時、社会部で事件取材を担当していた。

 税法の大家、三木義一・青山学院大学学長の新作「税のタブー」(集英社インターナショナル新書)は、課税が難しい分野を題材に、不公平な税制の実態に鋭く迫っている。三木学長は本紙特報面「本音のコラム」(木曜付)の執筆者でもある。

 同書は「しのぎ」への課税についても具体例や法的解釈なども交えて取り上げている。課税の困難さは想像以上だと感じた。

 徴税の原則は公平であることに尽きる。ところが反社会的な組織に限らず、課税に踏み込めない分野が多いことに驚かされる。

 大多数の国民は、まじめに税を払っている。不当に利益を得た上に税も払わなかったり、巧妙に税逃れをする連中には沸々と怒りがわく。

 秋に消費税率アップが予定されている。これには反対論も根強い。国税庁の調査によると、消費税をめぐる不正還付も増加傾向にあるという。三木先生、今度は消費税のタブーについても切り込んでください。(富田光)

 

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