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【私説・論説室から】

じゃあね。

 どんなにすぐれた翻訳ソフトができてもなかなか訳せないのは「詩だと思う」と谷川俊太郎さんは話していた。

 人類の知能を人工の知能(AI)が超える日が近いという。AIは意味を、詩を受け止めて翻訳できるようになるだろうか。

 谷川さんの詩はやさしく分かりやすくてリズムがあり、たくさん合唱曲になっている。息子の卒業式で聞いた大熊崇子さん作曲の「じゃあね」の響きは忘れられない。

 別れの言葉の面白さ。「さらば」は「さあらば」で、ともに過ごしたあなたも左様にお感じならば、そろそろ…さようならを。

 「じゃあね」は「それではさようなら」が「それでは」「それじゃあ」「じゃあね」とゆっくり変化してきたらしい。

 谷川さんの詩ではこんなふうに使われている。最後の一節から。

 いつか夜明けの夢のはざまで

 また会うこともあるかもしれない

 じゃあね

 もうふり返らなくてもいいんだよ

 さようならよりもきっぱりと

 じゃあね じゃあね

 今月いっぱいで論説室を離れます。

 ご愛読ありがとうございました。

 じゃあね。        (安田英昭)

 

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