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【私説・論説室から】

日本の伸びしろ、それは…

 今年のスポーツ界の最大のトピックスは、日本で開催されたラグビーのワールドカップ(W杯)だろう。日本代表チームの約半数を占める海外出身選手が「ONE TEAM」となって戦う姿には、感動を覚えた。

 男子プロゴルフでは今季ツアーを締めくくる「日本シリーズJTカップ」を終えた八日、日本でのシーズンを戦い抜いた感慨に浸る外国人選手が相次いだ。今平周吾選手と賞金王争いを繰り広げた南アフリカ出身のノリス選手は、七月に父親が母国で病死しても帰国せず「日本で自分を鼓舞し続けた。父は誇りに思ってくれると思う」と、一八八センチ、一〇〇キロの体から大粒の涙を流した。

 ラグビー、ゴルフ、さらに野球でもサッカーでも、母国を離れてプレーする外国人選手の決意には想像を超えたものがある。男子プロゴルフの選手会長でもある石川遼選手は最終戦の優勝会見で「彼らは日本が好きで、日本の選手より日本のことを考え、海外と比較して理にかなった意見を言ってくれる。ここは日本なのだから日本人が頑張らなければという考えは、今は違うと思う」と力説した。

 生活の拠点を日本に移す外国人は今後も増えるだろう。その一人一人の生き方に寄り添い、日本での居場所をともに考え、地域社会、そして日本全体を盛り上げていく。それこそが今の日本の伸びしろかもしれないと、スポーツを通して思う。 (鈴木遍理)

 

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