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【私説・論説室から】

イランとロシアの違い

 軍事衝突も想定されるような緊張下では、思わぬ事態が起こり得る。ウクライナ国際航空機の撃墜は、イランが隣国イラクの駐留米軍基地をミサイル攻撃して数時間後のこと。米国の報復に身構えていた時の悲劇だった。

 犠牲になった乗客乗員百七十六人の中には、イランとカナダの二重国籍者も多かった。郷里のイランで結婚式を挙げて移住先のカナダに戻る途中だったカップルもいた。

 当初は関与を否定していたイラン当局も撃墜の事実を認めたのは、しらを切り通すのは難しいと判断したためだろうか。それでも自分の非を認めたことは評価できる。

 同様の悲劇がウクライナでもあった。二〇一四年のマレーシア航空機撃墜事件だ。アムステルダム発クアラルンプール行きの旅客機の乗客乗員二百九十八人が全員死亡した。

 事件当時、ウクライナ東部では親ロシア派武装勢力と政府軍の軍事衝突が激しかった。国際的な合同捜査チームは、親ロシア派武装勢力が関与したと結論付け、四人の容疑者を起訴。ロシアから持ち込まれた地対空ミサイルが使われたと断定した。

 ただし、ロシアは捜査結果を完全否定する。スポーツ選手のドーピング問題でも、国ぐるみの関与を一貫して否定しているのがロシアだ。ことあるたびにロシアから聞こえてくるのは、欧米が自分たちを陥れようとしているという陰謀論である。 (青木 睦)

 

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