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あいちトリエンナーレ展示中止 芸術監督の津田大介さん、講演で検証委の中間報告を疑問視

「たとえ展示で説明を尽くしても炎上しただろう」と聴衆に語る津田大介さん=東京都千代田区の専修大学で

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 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で芸術監督を務めたジャーナリストの津田大介さんが今月、専修大学(東京都千代田区)で講演し、愛知県が設置した検証委員会の中間報告について「事実関係が異なる部分が複数あるので、最終報告で強く訂正を求めたい。訂正されない場合は法的措置も考えている」と語った。(出田阿生)

◆警察の動き鈍かった

 津田さんは中間報告で触れられていない点として「警察の動きが非常に鈍かった」とした。「ガソリン携行缶を持参する」という脅迫ファクスが届いた時点で「警察が迅速に動いてすぐ逮捕してもらえたら、中止の判断が変わった可能性もあった」と明かした。

 津田さんによると、ファクスが届いた八月二日、すぐに警察に通報。警察官が来たが、送信元として五桁の番号しか記載されていないのを理由に「分からないからちょっと無理だねと言われ、被害届を出したくても、出させてもらえないという状況になった」。

◆「脅迫状の送信先が匿名」理由に被害届受理されず

 翌三日、「表現の不自由展・その後」は展示中止になった。「ファクスをスタッフらと分析すると、五桁の数字はコンビニの店番号で、愛知県一宮市内だと一日で判明した。五日に証拠を示す資料を警察に送ると、翌日、警察から事務局に『被害届を出してくれ』と連絡が来て、その一日半後(七日)に逮捕された」という。さらに数千通に上る脅迫メールも送信元が匿名化されていたため、警察が迅速に被害届を受理してくれなかったと指摘した。

 津田さんは「今回の騒動は、関係者間のコミュニケーションがうまくいっていなかったことが最大の問題だったと思う」と総括した。その上で「『不自由展』以外の内容についても目を向けていただければと思う」と強調。今年国内で開催されたあらゆる美術展の中で最大の動員数だったこと、出展作家の男女比をほぼ同数にする「ジェンダー平等」を日本で初めて達成したことなどを挙げた。また、開催趣旨に賛同して寄付をした企業が、一社も協賛を中止しなかったと説明した。

(2019年12月16日夕刊に掲載)

 

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