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【経済Q&A】

11兆円なぜ必要? 「阪神の2倍」と試算

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 政府税制調査会が東日本大震災の復興財源に充てる増税案を示したことで、国民負担増加の論議が加速している。どうして十一兆円を超える巨額の臨時増税が必要なのか、増税以外の方法はないのだろうか。 (荒間一弘)

 Q 震災復興のために、増税が実施されることが決まったのか。

 A まだ増税額や実施期間、増税する税金の種類が正式に決まったわけではないが、政府・与党が臨時増税に向けた準備作業を進めている。先週末に政府税調が約十一兆二千億円の臨時増税案を決め、現在は民主党内でさらに増税規模を圧縮する検討作業が行われている。現行案は早ければ来年度から、個人の負担となる所得増税は十年間、企業の法人増税は三年間となっている。

 Q 復興に必要な費用はいくらなのか。

 A 正確な金額はまだ分からない。だが、阪神大震災では十年間に十一兆六千億円が必要とされ、最初の五年間で八割に当たる九兆二千億円を使った。今回の震災はその二倍を必要額とし、政府は十年間で二十三兆円、五年間で十九兆円と試算している。必要な額を積み上げた数字ではないので、おおまかな推計といえる。

 Q 推計だけで増税規模を決めてしまっていいのか。

 A 積み上げ方式では必要額が分かるまで時間がかかるので、推計を基に枠を決めて、その後に具体的事業を当てはめる方法をとった。復興費用はさらに膨らみ“取りすぎ”になることはないとの考えもあるようだ。十九兆円のうち六兆円は第一次、第二次補正予算ですでに確保済み。残り十三兆円の必要額のうち、公務員人件費見直しや東京メトロ株の売却など税以外で五兆円程度を賄う。差し引き残りは八兆円だが、B型肝炎訴訟の和解金の一部など、復興とは別だが、緊急に必要となる費用を加え増税額は十一兆二千億円とした。

 Q 増税以外で震災復興を行うことはできないのか。

 A 増税以外では赤字国債や建設国債といった「国の借金」で復興財源を賄う方法がある。しかし、国と地方を合わせた長期債務残高は九百兆円に迫り主要先進国では最悪の水準。野田佳彦首相は「復興財源は次世代に先送りせず、今を生きる世代で負担を分かち合う」と財政再建路線を強調して民主党代表選に勝利し、増税は既定路線ともいえる。ただ、民主党内には増税に異論が残っているし野党との協議もある。曲折はありそうだ。

 

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