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【経済Q&A】

信頼揺らぐ電気料金(下) 家庭向けで稼ぐ東電

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 Q 東京電力の値上げが大騒ぎになったのはなぜ。

 A 契約者にきちんと説明せず反発を招いたんだ。東電は四月から企業向け電気料金を平均17%値上げしようとしている。しかし、三月末で契約が切れ、四月一日から新料金を適用しようとした五万件のうち合意した顧客は68%(五月一日時点)にとどまる。家庭向け料金を値上げしようとする場合も反発は避けられないだろう。

 Q 東電が主張する値上げの根拠は。

 A 二〇一二年度中の原発再稼働が見込めず、火力発電に依存するため燃料費がかさむと説明している。前提としてきた〇八年度の燃料費に比べ約六千八百億円増えるとの想定だ。経費削減で足りない分を値上げで穴埋めすると言い、企業向けは一キロワット時当たりの単価(平均で約十五円)に値上げ分として一律二円五十一銭ほど上乗せしようとしている。東電が言い出した家庭向けを平均10%ほど値上げするという話も、一キロワット時当たりの単価を企業向けと同じぐらい上げるという想定に基づいている。

 Q 家庭向けの値上げを止められないか。

 A 東電の場合、売った電力の約六割は大口の企業向けで、「規制部門」と呼ばれる家庭向けは四割にとどまるけど、実はもうけの九割は規制部門だ。電力会社からみると、企業向けは自由競争で利幅が薄いことになる。家庭まで電気を届けるためには多くの設備が必要なので割高になるとも説明しているが、電気を買う先を選べない家庭向けで稼ごうとしている実態がある。

 Q 東電へのこれまでの政府の資金援助で値上げを回避したら?

 A 原子力損害賠償支援機構が交付したお金は、法律で損害の賠償に充てることになっている。逆にいえば、福島第一原発事故の損害賠償費用や廃炉、除染にかかる追加費用は料金値上げには含めていない。懸念されるのは将来、支援されたお金を返済する経営体力をつけるために東電が値上げを言い出すことだろう。

 Q 家庭の電気代を安くする仕組みはできないかな。

 A 電気を使う量が増える夏の昼間などピーク時の料金を高くし、代わりに夜間を安くする時間帯別の料金制度を導入する考えが関西電力などから出始めた。これまでも各電力会社には、電気温水器を備えたオール電化の家庭など向けに昼間は割高で、夜間を割安にする制度があった。対象を全家庭に広げて本格的に実施し、家庭の取り組み次第で毎月の電気料金を目立って安くする設定にすれば、ピーク時の電力不足を防ぐことにもつながると注目されるよ。

 

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