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【経済Q&A】

シェールオイル国内初採取 「眠れる資源」開発弾み

鮎川油ガス田から採取された原油「シェールオイル」(遠心分離したもの、上の黒い部分)=3日、秋田県由利本荘市で

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 資源開発大手の石油資源開発が三日、秋田県内の油ガス田で国内で初めて新型の原油「シェールオイル」の採取に成功したことで、新たな資源開発の期待が高まった。政府が掲げた「原発ゼロ目標」の実現には、国内でのエネルギー資源確保が重要課題の一つ。エネルギー自給率がわずか4%で資源に乏しいといわれる日本でも技術進歩に伴い、これまでは採取が困難だった眠れる新型資源を獲得できる可能性が広がりつつある。

 Q シェールオイルとはどんなもの?

 A 地下深くにある頁岩(けつがん)(シェール)と呼ばれる固い泥岩層の中に閉じこめられた原油のことだ。これまでは採取が困難でコストも割高だったが、掘削技術の開発と原油価格の高騰で採算が取れるようになり、採掘が可能になった。米国ではすでに生産が本格化している。

 Q 日本ではどれほど採れそうなのか?

 A 石油資源開発は、鮎川油ガス田などの埋蔵量は五百万バレル程度とみている。これは国内で消費される石油のわずか一・五日分の量だ。シェールオイルが豊富とみられる秋田県全体でも想定埋蔵量は一億バレルで約三十日分。現状では決して多くはないが、シェールオイルの含まれる地層は広範囲に分布しており、「さらに周辺地域に埋蔵されている可能性は高い」(経済産業省幹部)。今後、開発規模の拡大が期待されている。

 Q ほかに日本で期待されるエネルギー資源は?

 A 「燃える氷」と呼ばれるメタンハイドレートが有力だ。海底の地層に埋まっているシャーベット状の天然ガスで、今年二月、愛知県渥美半島沖から三重県志摩半島沖で海洋産出試験を始め、二〇一八年度からの商業化を目指している。

 Q 期待の大きい理由は?

 A 豊富な埋蔵量があるからだ。経産省は、静岡県沖から和歌山県沖までの「東部南海トラフ」で一・一兆立方メートルのメタンハイドレートが埋蔵されているとみている。これは液化天然ガス(LNG)の輸入量の十一年分に相当する。さらに、日本海側を含めた日本近海の想定埋蔵量は七・四兆立方メートルに上るとの推計もある。

 特に日本海側は、メタンハイドレートに加え、佐渡島の南西沖で大規模な油ガス田とみられる地層が見つかるなど、「海洋資源が満ちた地域」(京都府の山田啓二知事)。経産省も本格的な調査研究を進める考えだ。

 Q 日本が資源国になれる可能性は?

 A 新型資源の採取にはさらに技術開発が必要で、時間もコストもかかる上、環境汚染につながるとの指摘もある。ただ自然エネルギーや省エネルギーの普及拡大と同時に自国資源の開発を進めて存在感を高めることは、資源輸出国に足元を見られないような交渉環境づくりにつながることになる。 (岸本拓也)

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