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【経済Q&A】

TPP交渉の問題 米の意向 日本追随

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 日米やアジア・オセアニア圏で貿易のルールづくりを目指す環太平洋連携協定(TPP)交渉のブルネイ会合は31日、残っていた作業部会も閉会、全日程が終了した。7月から参加した日本にとって、初めての本格交渉だが各国は10月大筋合意を目指している。TPP交渉の課題や問題点を、整理した。 (バンダルスリブガワンで、吉田通夫)

 Q 今回はどんなことを話し合ったの。

 A TPPは関税、環境基準や労働者の権利など二十を超える分野で共通ルールづくりを目指す。今回は関税分野や薬価に影響する特許の保護の問題など十分野を話し合った。

 Q 交渉状況は。

 A 日本は米国が漁業への補助金縮小を求めたのに対して、維持を主張した。一方で、日本は新興国に対しては公共事業を海外の民間企業がもっと受注できるよう求めた。関税については、撤廃する品目のリストをマレーシア、シンガポールなど六カ国と交換した。

 日本は全品目(約九千)のうち80%前後の撤廃を示したが、数年かけて議論してきた各国の提案は、日本より高水準だった。シンガポールなどは完全撤廃を示したとみられる。政府は今後、各国の水準に合わせて90%超まで高める。

 Q どんな品目を撤廃するの。

 A 政府のTPP担当幹部は「農業を守る観点で、それ以外を譲る」と漏らし、コメ、砂糖など「聖域」とする五分野以外で譲る方針を示唆した。だが、具体的には説明しなかった。ほかの分野もどの国が何を言い、日本がどう主張するのかは言ってはいけないルールだという。

 Q なぜ情報を出せないの。

 A 各国は守秘義務契約を結んでいて、詳しい状況を公表できないんだ。しかも、今後は報道陣が集まるような公式会合は開かれない見通し。生活に影響を受ける人々の反発が強まって混乱を招き、決まらないというんだ。各国は年末までにまとめる方針だ。

 Q なぜそんなに急ぐの。

 A 米国の強い意向に日本も追随しているんだ。オバマ大統領は議会の中間選挙を来秋に控えて、輸出を拡大して雇用を増やす実績とするためTPPをまとめたいんだ。今回の会合の最初に米国の呼び掛けで各国閣僚たちが集まり、「十月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で大筋合意し、年内に妥結する」と再確認した。

 Q 交渉を急ぐことの問題点はないの。

 A TPPは食品や薬品など国民生活に関わる重要な問題を話し合う場だ。国民が是非を判断するための情報も時間もないまま突き進めば、政府が目指す「日本が一丸となった交渉態勢」は難しい。国民への情報提供が課題になりそうだ。

 

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