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【経済Q&A】

半世紀の減反 なぜ廃止へ? 補助やめ農家に競争力

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 自民、公明両党が1970年から続く生産調整(減反)政策を5年後の2018年度をめどに廃止する政府案を大筋で了承し、減反が事実上決まった。減反とはどういう制度で、どういう影響があるのか。 

  (山口哲人)

 Q 減反ってどういう制度なの。

 A 農家が田んぼいっぱいにコメを作るとコメが余って値崩れし、農家は困ってしまう。高齢化や洋食化で日本人のコメ離れが進む中、なおさらだ。そこで農林水産省は、都道府県を通じて農家の生産量を毎年制限し、コメが値崩れしないようにしている。田んぼの面積を表す「反」を減らすから、減反と呼ばれており、政府はコメの代わりに大豆などへの転作を促している。

 Q 減反をした農家は収入が減ってしまうのでは。

 A いや、農水省は農家を保護してきた。国は減反に協力した農家に十アールにつき一万五千円の補助金も支給する。本年度は九十八万の生産者に約千六百億円が支払われ、ばらまきとの批判が強い。農水省は来年度から補助金を半額程度に減額し、五年後に廃止する方針に転換した。

 Q なぜ今になってやめるの。

 A ばらまき批判が根強いほか環太平洋連携協定(TPP)に交渉参加したこともある。政府はコメを関税撤廃しない重要項目と位置付けるが、交渉はどう転ぶか分からない。零細農家にも一律で支給していた補助金のばらまきをやめ、農家自身の経営努力で競争力をつけてもらうのが狙いだ。

 Q 減反廃止でコメも安くなるの。

 A 補助金頼みだった零細農家は、農地集約を進め大規模な生産をする農家に田んぼを貸したりするだろう。田んぼの集約や大規模化が進めば生産コストも下がり競争力はつきやすい。消費者にとって価格統制に等しい減反制度をやめれば、農家は自由にコメを大量生産できるようになる。一キロ二百五十円前後で推移している全銘柄の平均取引価格も下がり、食卓が恩恵を受ける可能性はある。

 ただ、家畜のエサになる飼料米の作付けには現状で十アールにつき八万円の補助金が出ており、農水省はさらに手厚くする方針。飼料米の作付面積が増え過ぎると、逆に主食用米の供給量が減り高くなることもあり得るよ。

 

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