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【経済Q&A】

自販機飲料10円上げ 税率以上の値上げも

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 大手飲料各社は四月一日からの消費税増税に伴い自動販売機で扱う飲料品を基本的に十円値上げする。各社は「現行の自販機は一円玉に対応できない」と説明するが、中には値上げ幅が税率の引き上げ分より大きくなる商品も。自販機の値段設定はなぜ十円刻みなのか。 (小野谷公宏)

 Q どうして値段設定が十円単位なのか。

 A 飲料メーカーなどでつくる「全国清涼飲料工業会」によると、電子マネーでは一円単位での決済ができる機能を持つ自販機もあるが、一円玉が使える機種はない。だから端数は切り上げ十円単位で値上げできるよう業界で決めた。各社は一部商品は値上げを見送るなどし、販売する商品全体で増税分を販売価格に転嫁できるように調整している。

 Q 自販機が一円玉に対応していないのはなぜ。

 A 飲料メーカーの担当者は「割に合わないから」と打ち明ける。五百円玉が発行された当時は、順次対応できる新しい機種に切り替えた。五百円玉しか持っていない人でも買えるようにするためだ。実際「対応したことで売り上げは数%増え」(飲料メーカー)、利点はあった。

 だが、今回の増税に際して一円玉に対応できる機種を開発しても、缶ジュースを買う人が増えるとは想定しにくい。飲料メーカーは「一円玉のお釣りはわずらわしい。安さより利便性が大事」と思う利用者もいると考えているようだ。

 Q 技術的に可能か。

 A 防犯上の理由で具体的な硬貨の識別方法などは明らかにされていないが「つくれないことはない」と自販機メーカー。ただ、自販機の内部は狭い。一円玉のお釣りを置く空間が必要になるため、今の機種の改良ではなく新たな機種の開発が必要になるという。必要なコストは膨大になるが、飲料メーカーは「売り上げが増えそうにない」と考えている。だから、一円玉対応機の導入はメリットがないというわけだ。

 Q だけど税制の変更を価格に反映させた商品と、そうでない商品の両方があるのはおかしいのでは。

 A 確かにそうだ。値上げする商品と据え置きの商品があると、不公平感を感じるのは無理もない。これに対し、日本総研の小方(おがた)尚子主任研究員は「企業側からすると国の税制変更によって、なぜ(一円玉に対応した)自販機の入れ替え費用を自分たちが負担しなくてはいけないのかと疑問がわく。仮にコストが増えれば、商品の値段がさらに上がる可能性さえ出てくる」と指摘している。

 

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