東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 経済 > 経済Q&A > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【経済Q&A】

東電なぜ黒字 値上げ利用者負担 つぶさない仕組みも後押し

 東京電力は七月三十一日に発表した二〇一四年四〜六月期連結決算で、事業全体の収益を示す経常損益で黒字となった。同月期での黒字は福島第一原発(福島県)の事故以降で初めて。黒字は前年度の途中から続く。大事故を起こしながら、黒字になっている背景をまとめた。 (吉田通夫)

 Q あれだけの事故を起こし被害が続いているのに、なぜ黒字になるの。

 A 家庭向け料金の値上げなど利用者負担を増やしたことが大きな理由だ。東電は経営を安定させるため、一二年四月から企業向けの電気料金を平均16・7%、同九月から家庭向けの電気料金を8%超値上げした。一三年四〜六月期までは出費が多くて赤字だった。だが、その後、遅らせてもいい発電所の修理を延期して出費を抑え、同年四〜九月期(中間)から黒字になった。一四年三月期の一年間で三年ぶりに黒字になり、黒字が続いている。

 Q 原発が動かなくても黒字なんだね。

 A そうだ。それでも東電は延期できない工事がたまり、いずれ出費が増えると強調しているんだ。火力発電より燃料費が安い柏崎刈羽原発(新潟県)を早く動かしたいんだね。再稼働が遅れた場合、再び電気料金を大幅に引き上げる可能性もちらつかせている。

 Q 苦しんでいる被災者がまだたくさんいるのに、黒字は理解できないね。

 A 経営破綻させない仕組みがあるからだ。政府と電力会社が被災者への賠償資金をいったん肩代わりし、東電がもうけた場合に返済させるんだ。政府は一二年に一兆円もの税金(公的資金)を注入して東電を延命。事故後、東電はいつ破綻しても不思議ではなかったが、「東電が利益をあげられずつぶれれば、国民負担が増える」という構図にした。専門家の間では、東電を破綻処理して経営陣や株主の責任を問い、国も福島第一原発を認可してきた責任をとって被災者に賠償するべきだという意見も根強い。

 

この記事を印刷する

PR情報