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【経済Q&A】

代ゼミ 事業縮小発表 少子化・経済難 予備校離れ加速

来年4月以降の生徒募集を停止する代々木ゼミナール池袋校=東京都豊島区で

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 大手予備校の代々木ゼミナールが、全国に展開する二十七校のうち二十校の閉鎖や、全国模擬試験の来年度からの廃止などを進める。受験生以外にも代ゼミの略称で知られた予備校が、なぜ大規模な事業の見直しをしなければならなくなったのか。背景をまとめた。 (小野谷公宏)

 Q なぜ、拠点を閉鎖するのか。

 A 一番大きいのは少子化の影響だ。大学進学を希望する生徒数が大学の募集枠より少ない「全入時代」を迎え、浪人しなくても入学しやすくなった。文部科学省によると、一九九〇年代前半に二十万人程度いた浪人生が今春には八万人程度まで減った。代ゼミ側は「八〇年代から九〇年代にかけて、受験人口が増えたことで全国展開したが、少子化で校舎運営が難しくなった」と説明している。

 Q 少子化の影響は前から予測できたはず。他にも原因があるのでは。

 A 景気回復の遅れや就職難なども大きな理由だ。経済情勢はまだ厳しく、浪人を避けようとする生徒や、予備校に行かずに勉強する生徒も増えているようだ。進学希望先も、学費が安い国公立大学や、就職に強い理系が人気を集めている。この傾向が、代ゼミに逆風になった。

 Q どうして。

 A 三大予備校と呼ばれる駿台予備学校や河合塾と比べ、代ゼミは私大文系の受験生の指導を得意分野としてきた。駿台と河合塾は、国公立の理工系の指導に強みがあった。

 大教室で人気講師が教える代ゼミのスタイルも一部残り、運営費などで経営に重荷になったようだ。代ゼミは講義をネットでも配信しているが、最近は人気講師を抱え込んだ東進ハイスクールの配信が受験生の注目を集めている。代ゼミはグループの学習塾「SAPIX」を通じて小学生らを集め、収益基盤の立て直しを図るとみられる。

 Q 予備校経営は今後も苦しいのか。

 A そうだろう。景気がよくなっても、少子化の傾向は変わらない。受験業界からは「予備校は冬の時代を通り越して、氷河期に突入する」との声も漏れる。難関校を希望する受験生向けに予備校はなくならないだろうが、他の大学では予備校に頼らず入学できる学校が多くなりそうだ。就職により直結した専門学校の注目も高まるだろう。

 

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