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【経済Q&A】

経団連 なぜベアに慎重? 上げるなら賞与で/脱「官製春闘」

 今春闘ではベアに対する労使の考え方の違いが鮮明になっています。昨年までと何が変わったのでしょうか。 (木村留美)

 Q なぜ経団連はベアに慎重になるのですか。

 A 二〇一四年以降、ベアを実施する企業が増え、既に月給の「水準が大幅に上がっている」というのが経団連側の主張です。もともと経営者は月給を一度上げたら簡単には引き下げられないため、変動させやすい賞与(ボーナス)で賃上げを実現しようと考えがちです。今年は米中の貿易摩擦で企業業績の不透明感が高まっていることもあり、ベアにはより慎重になりそうです。

 Q 安倍晋三首相は賃上げを要請していないのですか。

 A 今年も求めていますが、「官製春闘」と呼ばれてきた政府の賃上げ圧力は弱まっているようです。昨年五月に就任した経団連の中西宏明会長が「賃上げは(政府に)要求されて応じるものではない」と強く反発しているからです。昨年、首相が掲げた「3%」の数値目標も示していません。

 Q 賃上げ交渉をけん引する存在として注目されるトヨタ自動車が一八年春闘でベア額の回答を非公表としました。影響は。

 A 今年はトヨタ自動車労働組合がベア額を示さず賃金を要求する方針で、回答も引き続き非公表となりそうです。グループ会社や取引先が、トヨタの賃上げ水準に追随する慣例をやめる狙いがあります。

 非公表の企業がトヨタ以外にも拡大すれば、ベアの獲得額や相場が分かりづらくなります。同じ時期に「共同闘争」することで交渉力を高めようとしてきた春闘の本来の意義が薄れかねません。  

 

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