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【経済Q&A】

ファーウェイ禁輸の影響拡大 日本製品、販売減の恐れ

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 KDDI(au)やソフトバンクなど国内の携帯各社が、中国・ファーウェイの新端末の発売延期などを発表しました。米トランプ政権による同社への規制の影響を見極めるためで、米中の対立が日本を含む世界に波紋を広げています。これまでの経緯を振り返るとともに、今後の見通しを探りました。 (吉田通夫)

 Q ファーウェイとは、どんな会社ですか。

 A 一九八七年創業の通信機器メーカーで、百七十以上の国・地域に進出しています。携帯電話の電波をやりとりする「基地局」では世界シェアトップ、スマートフォンの出荷台数では今年に入って米アップルを抜き二位です。昨年の売上高は七千二百十二億元(十一兆五千億円)で、日産とほぼ同じです。

 Q なぜ米国と対立しているのですか。

 A 米政府はファーウェイの機器が中国のスパイ活動に利用される恐れがあるとして、昨年八月に政府機関が同社製品を使うことを禁じました。さらに、カナダ当局に要請してファーウェイ副会長を拘束するなど圧力を強めてきました。同社は「5G」と呼ばれる次世代の高速通信機器でも高いシェアが見込まれており、米国には中国企業にデジタル技術の覇権を渡したくないという思惑もありそうです。

 Q 日本の携帯各社がファーウェイ端末の発売を延期した理由は。

 A 米政権が今月十五日に米国製の部品やソフトをファーウェイに輸出することを禁じたからです。基本ソフト(OS)などを提供してきたグーグルもサービスを停止するとみられます。発売予定の機種にOSや地図などのアプリが搭載されたとしても、不具合の修正などサポートが得られない可能性があります。詳細が分からないまま発売日が近づいてきたため各社は延期しました。

 Q ほかの日本企業への影響はありますか。

 A 米国は、自国の製品や技術を使った部品を輸出した場合は海外企業であっても罰金を科す構えです。このため東芝は、ファーウェイ向け部品の出荷を一時停止。ソフトバンクグループが出資する英半導体大手アーム・ホールディングスも取引を停止すると報じられています。また、ファーウェイは村田製作所など日本企業が独自開発した部品も多く使っており、日本企業から購入した額は右肩上がり。昨年の六十六億ドル(約七千三百億円)から今年は八十億ドルになる見込みでした。ファーウェイの生産が鈍れば日本企業の部品販売も減りそうです。

 Q 今後はどうなるのでしょう。

 A 米政府は昨年四月にも同業の中興通訊(ZTE)に同じような制裁を加え、経営危機に追い込まれた同社は制裁金十三億ドルを支払うなどしました。ファーウェイの任正非CEOは本紙などの取材に「ZTEのようなことはしない」と抵抗する構えです。一方、ファーウェイデバイス日本・韓国リージョンプレジデントの呉波(ごは)氏は二十一日に東京都内で開かれた製品発表会で「できるだけ早く解決策を見つけ、影響を減らしたい」と述べています。六月下旬とも言われるトランプ大統領と習近平国家主席の首脳会談が注目されます。

 

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