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【経済Q&A】

政府の景気判断 基準なく政府の裁量

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 5月の月例経済報告で政府は国内景気について「緩やかに回復している」と判断しました。しかし、わずか11日前に内閣府が公表した景気動向指数は「悪化」でした。なぜ食い違うのでしょう。 (渥美龍太)

 Q 同じ政府の判断なのに正反対の結果が出る理由を教えてください。

 A 調査の時期や使う統計も異なりますが、何より違うのは判断の仕方です。景気動向指数は、構成する九つの統計の動きをあらかじめ定められた基準に当てはめ、機械的に決めます。一方、月例経済報告には明確な基準がありません。政府は「統計の動きや企業から聞き取った景況感などを総合的に勘案して決める」(内閣府の担当者)と説明していますが、それだけ政府の裁量の余地が大きいということです。

 Q 月例経済報告と景気動向指数の判断がずれるのは珍しいのですか。

 A 現在の調査方法で景気動向指数を発表し始めた2008年以降「悪化」の判断は3回目ですが、発表時期が同じ月例経済報告で同様の判断が出たことはありません。ただ過去2回は「弱含んでいる」「弱い動き」。今回は「回復」の文言が残り、食い違いが目立ちます。

 Q 景気判断の表現が回りくどく感じます。

 A 政府の公式見解という性格の影響もあるでしょう。旧経済企画庁の職員でかつて実務に携わった大正大の小峰隆夫教授は「はっきりと悪化の方向を出す時は極めて慎重になる」と話します。人々の心理を冷やして景気悪化を助長しかねず、経済政策にも影響を与えるからです。

 

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